田中雄二の「映画の王様」

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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

2016-05-01 08:00:38 | 新作映画を見てみた

ヒーローたちの壮大な内輪もめ



 アベンジャーズの戦いは全世界に拡大し、多くの人々を救った反面、彼らが与えた人的、物理的な被害は甚大なものとなった。そんな中、遂にアベンジャーズを国際的な組織の管理化に置くことが決定する。

 それを受けて、アベンジャーズたちは、片やトニー・スターク=アイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)を中心とする賛成派、こなたスティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカ(クリス・エバンス)を中心とする反対派に分かれて、対立することになる。

 まるで先に公開された『バットマンVSスーパーマン』にも似た、ヒーローたちの苦悩やジレンマ、壮大な内輪もめが描かれる。

 シビル・ウォーとは内戦の意。アメリカでは主に南北戦争のことを差すが、アメリカという国は、意見や立場を異にする二大勢力が雌雄を決する図式を好む傾向がある。 

 例えば、政党は共和党と民主党、メジャーリーグはアメリカンリーグとナショナルリーグという具合に。この映画を見ていると、まさかアベンジャーズにもそれを応用するとは…と思わされる。

 今回はマイティ・ソーとハルクが出ない代わりに、新たにアントマンとスパイダーマン、ブラックパンサーが加入。

 こちらが、それぞれのヒーローの前作との関係性を思い出す間もなくどんどん話が進んでいく。置いていかれた感を覚えるのは決して自分だけではないはずだが、などと思ってしまう。

 このシリーズは一体どこまで拡大し続けるのか。果たして一部のマニア以外の観客は、全てを理解しながら、楽しみながら、ついて行けるのだろうかという気がする。


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