“自分の尾を食べる蛇”のお話
ロバート・A・ハインラインの「輪廻の蛇」を映画化したタイムパラドックスSF。一人の時間警察職員(イーサン・ホーク)の数奇な“宿命(プリデスティネーション)”を描く。
ネタが割れてしまうと「何だ究極の自己愛物語じゃないか」となるので、何の予備知識も持たずに見た方がいい。輪廻や因果応報といった仏教的な趣もあるところが面白い。
ホークにも増して、男女二役を演じたサラ・スヌークの妖しい魅力が光る。一人二役への思いは、一卵性双生児のピーター&マイケル・スピエリッグ兄弟監督なればこそか。
日本でも同種のタイムマシンものの傑作として広瀬正の『マイナス・ゼロ』があるが、彼はハインラインの「時の門」を分析した文章を遺しているから、この「輪廻の蛇」の影響も受けていたのではないかと思われる。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます