双葉十三郎さんの著書に続いて、1959(昭和34)年刊行の飯島正さんの『アメリカ映画監督研究』を読了。
1902(明治35)年生まれの飯島さんは、東大仏文科卒、早大教授という超インテリ。だから昔は少々敷居が高くて、読むのをためらっていたのだが、以前、映画黎明期について書く時に、その著作を参考にさせていただき、思ったよりも読みやすく、分かりやすかったので、驚いた覚えがある。
この本も、各者について論文のような細かい分析を施しながら、文章は具体的で分かりやすく、読みやすかった。
ラインアップは、エドウィン・S・ポーター、デビッド・ワーク(D・W)・グリフィス、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、キング・ビダー、ジョン・フォード、フランク・キャプラ、ウィリアム・ワイラー、オーソン・ウェルズ、ジョン・ヒューストン、エリア・カザン。
改めて、とても勉強になったし、今は伝説となった監督たちが、当時はどう評価されていたのかが分かって興味深いものがあった。それにしても、DVDやインターネットのない時代の人はすごい、といまさらながら思う。
飯島正さん、懐かしいです。その昔、私がまだ学生の時日曜日12時15分だったと思いますが、映画紹介のラジオ番組がありました。その時の出演評論家が飯島正さん、双葉十三郎さん、佐藤忠男達でした。当時、評論家の重鎮と言ってもいいでしょう。ある時、佐藤忠男さんが「ガルシアの首」を褒めて、あの佐藤忠男さんですよ、どちらかと言えば第三世界の芸術映画を褒める人でしたが、飯島さんも双葉さんも驚いたことがありました。
今では、こういう人達はほとんどいなくなりましたね。寂しい限りです。文春で活躍されていた小林信彦さんのキネマ旬報の掲載「架空シネマテーク」好きな掲載でした。そういえば、和田誠さんもお亡くなりに。 八点鍾
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