『MR. JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』(2024.11.17.オンライン試写)
新潟県十日町で育った桜井昭夫は高校時代にレッド・ツェッペリンのレコードと出会い、ジミー・ペイジのギタープレーのとりことなる。やがて上京した桜井は、昼は着物のセールスマンとして働き、夜はペイジのギターテクニックと人格を身につけた「ジミー桜井」として活動。35年間にわたって、東京の小さなクラブでレッド・ツェッペリンのビンテージコンサートを完璧に再現してきた。
そんな中、来日中のペイジ本人が桜井の演奏会場をお忍びで訪れたことで、桜井の人生は大きく動き始める。本物のペイジの喝采に触発された彼はサラリーマンを辞め、家族を置いてロサンゼルスに移住し、レッド・ツェッペリンのコピーバンド「Led Zepagain」に参加する。だが、言葉の壁や過酷を極めるツアー、メンバーとのあつれきなど、さまざまな困難に見舞われる。
レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジになりきることをライフワークとする一人の日本人の姿を追ったドキュメンタリー。ペイジを完璧に再現するための桜井の徹底ぶりはもはや狂気的。その狂気に手を貸す、ギターやアンプの製作者、衣装デザイナーといった職人たちの仕事にも驚いた。このドキュメンタリーの核は、桜井はもちろん彼と職人たちとのやり取りにあると言ってもいい。
ただ、一人でレッド・ツェッペリンにはなれないわけで、自分と同じ熱量や技量を持ったバンドメンバーとはなかなか巡り合えず、桜井が浮いてしまう孤独な姿が印象に残る。直訳ロッカー王様もマニアックだが彼はちゃんと観客との距離を測って楽しませる。それに対して桜井の狂気にはちょっと付いていけないものを感じるのだ。
日本語直訳ツェッペリン研究会
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