『大脱走』(63)(2010.6.13.午前十時の映画祭 TOHOシネマズ六本木)
第2次大戦下、脱走不可能と言われたドイツ軍の捕虜収容所からの脱走を企てた連合軍兵士たちの動静を描く。監督はジョン・スタージェス。
この映画は、昔のテレビ放送では前後編で2週にわたるのが常だった。だから、悪友たちと前編について語り合いながら後編の放送を心待ちにした。ところが、一度だけ大みそかに紅白歌合戦の裏番組として一気に放映されたことがある(1973.12.31.)。当時は中学生だったが、ビデオもDVDもない時代だったので、友人の家に集まってみんなで見ようという計画が持ち上がった。残念ながら実現はしなかったが、同世代には同じような経験をした人がたくさんいるはずだ。自分たちにとっての『大脱走』とはそういう特別な映画なのだ。
午前十時の映画祭の「何度見ても面白い」のキャッチはこの映画にこそ当てはまる。できるはずはないのにまねがしたくなるスティーブ・マックィーンの一挙手一投足。3時間近くという長さを全く感じさせないジョン・スタージェスのテンポの良い演出。エルマー・バーンスタインのテーマ曲。そしてマックィーン以外の、脇の脇に至るまでの俳優もいい。俳優の力と、キャラクター各々の役割をきちんと描いた脚本・演出の力によって、集団劇としての面白さが見事に表現されている。だからこそ、それぞれのキャラクターに対する思い入れが生じ、ラストのカーテンコールに余韻が残るのだ。
名画投球術 No4.「男もほれるカッコいい男が観たい」スティーブ・マックィーン
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