ロビン・ウィリアムズが亡くなった。63歳。うつ病による自殺の可能性が高いという。デビュー作の『ポパイ』(80)からリアルタイムで見続けてきた俳優だけに訃報を目にした時のショックはとても大きかった。スタンダップコメディアン出身である彼の得意技は、早口で一気にまくし立てるマシンガントーク。時にはあまりの演技過多に閉口させられることもあったが、彼にしか表現できない多彩な役を演じて楽しませてくれた。
まずは、人間離れした役に説得力を持たせて演じる“怪優”としての顔があった。それは漫画の主人公を演じた『ポパイ』に始まり、ロボットを演じた『トイズ』(92)と『アンドリューNOR114』(99)、『ミセス・ダウト』(93)では女装を披露し、『ナイトミュージアム』(06)では動き出す人形を…という具合に。そして『フック』(91)『ジュマンジ』(95)『ジャック』(96)『フラバー』(97)など、“童心を持った大人”の役も彼のおはこだった。一方、善人に見えるイメージを逆手に取って『ストーカー』(02)と『インソムニア』(02)では異常心理者も演じた。
さらに『ガープの世界』(82)『ハドソン河のモスコー』(84)『グッドモーニング,ベトナム』(87)『いまを生きる』(89)『フィッシャー・キング』(91)『グッドウィル・ハンティング/旅立ち』(97)といった、複雑な現代社会で人生を模索する男を演じた時、彼の個性は最も真価を発揮した。
この間、アカデミー賞候補の常連となり、軽妙なトークを交えての授賞式の司会も担当。『グッドウィル・ハンティング/旅立ち』では助演賞を獲得している。彼は、次に演じる役が予測不可能な俳優で、毎回びっくり箱を開けるような新鮮な驚きを与えてくれた。
我がベストワンは彼の笑顔が印象的な『ガープの世界』。
All Aboutでの解説はこちら↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/72dac376c0d1de7871baf296c40ee7c4
あの映画にはビートルズの「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」(僕が64歳になっても愛してくれるかい)が流れるのだが、ウィリアムズが63歳で亡くなった今となっては何やら因縁めいて悲しいものがある。
The World According To Garp Opening-The Beatles When I'm Sixty Four はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=ptIvLZ8QerI
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