『明日に向って撃て!』(69)(1975.8.12.有楽町シネマ1)
(1995.1.)
久しぶりのシネスコ、ステレオ版での再見。最近、メロディーメーカーとしてのバート・バカラックに再注目していることもあり、音楽的にはとても懐かしく楽しいものがあった。
ただ、ドラマ的には、以前はそれほど気にならなかった、ひたすら見えない追手(ピンカートン探偵社)におびえて逃げまくるブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)の、出口のない悲しい逃亡劇としての側面がクローズアップしてきて、あーニューシネマという感じがして困った。
とは言え、だからこそ、そうした暗くなりがちなストーリーの端々にユーモアをちりばめ、おしゃれでノスタルジックな映像処理を施したジョージ・ロイ・ヒルの手腕も光るのである。
そして、本来はそれほど美人ではないキャサリン・ロスを目一杯魅力的に撮ったコンラッド・ホールの巧みなカメラワーク(当時二人は恋仲だったとか…)にうまくだまされて? 彼女の姿がひたすらまぶしく見えて虜になった、中学生の自分の純情ぶりを、懐かしく思い出した。
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