『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008.6.13.パラマウント試写室)
いきなりパラマウントのロゴのパロディーが映る。時代設定は1957年ということで、エルビス・プレスリーの「ハウンド・ドッグ」が流れ、ソ連のスパイによるネバダの米軍基地の占拠、そして第1作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(81)のラストに登場した倉庫へとつながる。今回の秘密の箱の中身は、ロズウェルのエリア51、つまりUFO絡み。ケート・ブランシェットがロシアなまりの英語を使うソ連の軍人を演じる(さすがにうまい)。
米ソ対立、反共、密告、ネバダの核実験といった時代背景が巧みに盛り込まれている。シャイア・ラブーフの登場シーンも、『乱暴者』(53)のマーロン・ブランドをほうふつとさせる。このシリーズはもともと荒唐無稽な話なのだが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ同様、荒唐無稽な面白さの裏にはこうしたディテールの積み重ねがある。
クリスタル・スカル(水晶ドクロ)、古代文明、宝探し、二重スパイ、ナスカの地上絵、大滝下り、からくり古代遺跡など、まさに謎と冒険のてんこ盛り。『ターザン』やら、『黒い絨氈』(54)、果ては自作の『未知との遭遇』(77)など、過去の作品のパロディーも楽しい。
最初のうちは、スピルバーグの演出もハリソン・フォードの演技も、どこか間延びした感じがして、さすがに年を取ったか…、と思いきや、だんだんとそのテンポに慣れてくる。そして最近の目が回るようなアクションとは一味違った大昔の冒険活劇が再現され、復活『スーパーマン』同様、ジョン・ウィリアムスのテーマ曲の効用もあり、いつの間にか乗せられていた。スピルバーグたちが、衰えたハリソン・フォードや、懐かしのカレン・アレンの再登場も計算ずくで作ったのなら、それはそれですごい。
『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの伝説』ジャパンプレミア(2008.6.6.)
19年ぶりのシリーズ最新作。ハリソン・フォードも最近は老いが目立ったが、やはり間近で見るとオーラがあると言うべきか、それともほぼリアルタイムで彼の映画を見てきたこちらの思い入れのせいか。カレン・アレンも懐かしく、会場内に流れてきたジョン・ウィリアムスのテーマ曲にも乗せられてちょっと興奮した。
一方、ジョージ・ルーカスは金満家のデブオヤジそのものといった感じ。やはり俳優とは見た目が違うということなのだろう。もっとも、テレビ媒体優先のバラエティーのようなイベント演出にはいつもながら疑問が残った。
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