『亡国のイージス』(05)(2006.10.29.日曜洋画劇場)
海上自衛隊のイージス護衛艦いそかぜの副艦長・宮津(寺尾聰)が、某国のスパイと共謀して艦を乗っ取り、最新兵器で東京を狙う。彼の行動の理由は何なのか? 東京壊滅までに残された時間は10時間。この事態を解決するべく先任伍長・仙石(真田広之)は、いそかぜの奪取に向かう。監督は坂本順治。
福井晴敏の原作は未読なので、この中途半端なストーリー展開が、映画と原作、どちらのせいなのかは分からない。だが作り手たちが多分に意識したであろう『ダイ・ハード』(88)を例に出すまでもなく、良作のアクション映画の条件は派手なアクションよりも実は練られた脚本と人物描写にあるのだ。それがこの映画にはない。
所詮原作と映画は別物なのだから、中途半端に自衛隊の存在やイデオロギーを盛り込まず、思い切って設定だけを借りたサバイバルゲームのように描いてしまった方がかえって潔かったのではないかと思った。
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