『エノケンのびっくりしゃっくり時代』(48)(1993.12.18.)
浮浪者の健太(エノケン)は、紳士の黒川(山口勇)に、スリのサブ公(如月寛多)に財布をすられそうだと知らせるが、逆にスリに間違われる。そこを、楽団と花形歌手の歌ちゃん(笠置シヅ子)に救われる。健太は歌ちゃんと共に黒川の財布を探すが…。監督・島耕二、脚本・山本嘉次郎、音楽・服部良一。笠置が「びっくりしゃっくりブギ」を歌う。
先日、NHK衛星で放送された「日本の爆笑王ベスト50」で、見事に1位に輝いたエノケン。その時、司会の伊東四朗が「今の人には何がおかしいのか分からないかもしれない」と語っていたが、この映画を見て、そんな、笑いが持つ即時性や、時代差によって生じる空しさについて考えさせられてしまった。
終戦直後に作られたこの映画で描かれた政治家への賄賂の横行は今も変わらないのに、それに対する風刺の笑いが今見るとピンとこないのだ。喜劇はその時代を敏感に捉える分、風化も早いということなのだろう。残念ながら、この映画からはエノケン伝説があまり感じられない。
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