田中雄二の「映画の王様」

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「午後のロードショー」『ウォール・ストリート』

2021-04-27 10:09:08 | ブラウン管の映画館

『ウォール・ストリート』(10)

 収監されていたウォール街のカリスマ投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が出所し、ニューヨークに戻って来る。

 ゲッコーは、疎遠になっていた娘ウィニー(キャリー・マリガン)との関係修復を望むが、娘は強欲な犯罪者の父親を毛嫌いしていた。そんな中、ゲッコーはウィニーの婚約者でウォール街で一旗揚げようとしている青年ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)と出会う。

 『ウォール街』(87)の23年ぶりの続編で、原題は「Wall Street: Money Never Sleeps」。前作は、金の亡者たちの中で、マーティン・シーンが演じたたたき上げの労働者の存在が唯一の救いになっていたが、今回はタイトルに反して“家族の再生”というテーマが前面に出ていた。特に、甘々ほのぼののラストシーン(嫌いじゃないけど…)を見ていると、オリバー・ストーンも随分丸くなったものだと感じた。

 イーライ・ウォラック、スーザン・サランドン、フランク・ランジェラ、オースティン・ペンドルトンといった脇役たちに加えて、前作で主人公のバドを演じたチャーリー・シーンもちらりと顔を出す。

【今の一言】チャーリー・シーンもシャイア・ラブーフも、本業よりも、何かとお騒がせの話題の方が多いのは皮肉っぽい。前大統領のドナルド・トランプも本人役で出演したそうだが、劇場公開版ではカットされたらしい。

『ウォール街』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e769e146d80638acf927d5d71eb3dc7e

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『アオラレ』

2021-04-27 07:33:06 | 新作映画を見てみた

『激突!』よりも『ジョーズ』に近いか

 美容師のレイチェル(カレン・ピストリアス)は、シングルマザーとして息子を育てている。この日も、息子を学校に送りながら、仕事に行かなくてはならないのに寝坊してしまう。その上、フリーウェイで大渋滞に遭い、電話で仕事のクビを宣告される。 

 仕方なく下道に降りると、交差点で信号が青になっても、前にいるピックアップトラックが動かない。イラついたレイチェルはクラクションを鳴らして、トラックを追い越す。

 ところが、トラックが追ってきて、運転席の男(ラッセル・クロウ)が窓越しに話しかけてくる。男は先の一件を謝るが、レイチェルにも謝罪を要求する。レイチェルが拒絶すると、男は無謀なあおり運転でレイチェルを追い掛け始める。

 原題は「UNHINGED=狂気、錯乱」。ぶくぶくに肥満したクロウがサイコ野郎を演じ、よくこんな役を引き受けたものだと思わせる。

 ただ、レイチェルにも身勝手なところがあり、感情移入ができないところがミソ。何しろ、最初に煽ったのはこの女の方なのだから。それ故、これは単なる善悪の闘いではなく、もっと根深く、不条理な問題を描いていることが分かる。コロナ禍でイライラすることが多い今、いつ自分がこんなふうに、加害者や被害者になるかもしれないという怖さを感じた。

 最初にこの話を知った時は、スピルバーグの『激突!』(71)を思い浮かべたのだが、実際に見てみると、もっと過激で病的なものだった。その意味では、どちらかと言えば、クロウ演じる男は『激突!』のトラック運転手よりも、『ジョーズ』(75)のサメの方が近いかもしれないと思った。

 

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「BSシネマ」『七年目の浮気』

2021-04-27 07:22:55 | ブラウン管の映画館

『七年目の浮気』(55)

“かわいいマリリン”
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a75fc327f4e19e25c942d6044a8885eb

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