「新選組!」「東へ」(2004.11.21.)
大河ドラマ「新選組!」』もいよいよ終盤。鳥羽伏見の戦いに敗れ、将軍・徳川慶喜(今井朋彦)にも捨てられ、江戸に戻った新選組は破滅への道をひた走る。
ところで、一部の熱狂的な女性ファン(この人たちは別の意味ですごいのだが)は除いて、どうも新選組は、一般の女性にはあまり受けがよくない、というか、理解し難い存在らしい。というのも、彼らの行動が、思い込みの激しさ故の勘違いに思えたり、時代の波が読めずにからまわりする様が滑稽にも見え、極端に言えば、ただの人斬りで、仲間を平気で粛清する残酷な集団と映るらしい。
例えば、自分の周りでも、高校生の頃TBSの連続ドラマとして放送され、草刈正雄の沖田総司が人気を呼んだ「新選組始末記」をたまに一緒に観ていたお袋が「理解できないし嫌いだ」と言っていたし、今、大河ドラマを一緒に見ているかみさんが「ばかみたい」と言う。
まあ、熱狂的に新選組を美化して憧れる女性たちもいるかと思えば、全く正反対に拒絶反応を示す女性たちもいる…。この極端な違いは一体どこから生じるのだろうと思う。
その点、男は単純で、様々な人物が集まる面白さ、その後の対立、後は、滅びの美意識みたいなところに引かれるし、どこか、組織に属した時の自分の立場や身の処し方と重ね合わせて見ていたりもする。
ところで、三谷幸喜は喜劇畑の人でもあるから、シリアスの中に、どうしてもギャグっぽいものを入れたくなるようだ。それが、このドラマが今までの新選組を扱ったものとは大きく違うところだが、いかんせん外し過ぎの感がある。
ただ、このドラマの新しさは、実際の隊士たちとそう年齢が変わらないキャスティング(賛否はあるが)がなされた点にある。そうなのだ。幕府側も薩長側もみんな驚くほど若いのだ。そこが彼らに切なさを感じるゆえんでもある。