原題:『カイジ ファイナルゲーム』
監督:佐藤東弥
脚本:福本伸行/徳永友一
撮影:小原崇資
出演:藤原竜也/福士蒼汰/関水渚/新田真剣佑/吉田剛太郎/伊武雅刀/天海祐希
2020年/日本
貧富の差をまだエンターテインメントとして描ける余裕について
『家族を想うとき』(ケン・ローチ監督 2019年)がリアリズムで描かれたことを思えば、エンターテインメントとして貧富の差を描いている日本にはまだ余裕があるのかもしれないが、それはおそらく本作でも描かれているように今年の東京オリンピックまでで、オリンピックが終わった後は本作で描かれているような賭博には参加しないまでも確実に景気は悪くなっていくと思う。
主人公の伊藤開司を演じた藤原竜也の当たり役だと思うが、それはライバルが藤原と同等のハイテンションで向かってくるからこそ光る訳で、今回もライバルの黒崎義裕を演じた吉田剛太郎が良い味を出している。
1作や2作に比べてゲームが貧相になっているという指摘もあるが、それだけ景気が悪化していると捉えるならば意外と怖い話なのである。『記憶にございません!』(三谷幸喜監督 2019年)よりもよっぽど政権に対して皮肉が効いていると思う。