原題:『私はいったい、何と闘っているのか』
監督:李闘士男
脚本:坪田文
撮影:神田創
出演:安田顕/小池栄子/岡田結実/菊池日菜子/ファーストサマーウイカ/SWAY/金子大地/伊集院光/白川 和子
2021年/日本
映画的な面白さについて
原作の小説を書いたつぶやきシローの芸風が大きく反映されたように、本作は地元密着型のスーパーマーケット「ウメヤ大原店」に25年間勤めながら店長になれずに主任止まりの主人公の伊澤春男の心のモノローグがストーリーの大半を占めており、面白くなくはないものの、映画として評価するならば、唯一の見所は春男と2人の娘と沖縄へ旅行をした際にたまたま実の父親の金城正志が運転していたタクシーに乗り合わせた春男の長女の小梅の、春男と正志の会話でその事実を察した時に見せた驚いた顔くらいだと思う。
春男が毎週カレーを食べに訪れる食堂のおばあちゃんのもとを春男の妻の律子が訪れるといった山場もないためストーリーにおける存在意義も希薄で、安田と同じ監督、脚本家がタッグを組んで制作された前作『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』(2018年)の方に映画的野心を感じた。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-110732