麒麟の翼~劇場版・新参者~
2012年/日本
‘教育’問題とサスペンス
総合 60点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
確かにプロットは良く出来ているが、連続テレビドラマ『新参者』の続編であるために、例えば主人公の加賀恭一郎と彼の上司である小林の微妙な人間関係など本作を観ただけでは分らない部分もある。
水泳部の顧問を務めていた高校教師の糸川肇が当事者である3人の生徒を帰らせた行為は褒められたものではないが、画面で見る限りでは糸川は自身が担当している水泳部で不祥事が起こったら自分の進退問題に発展するために隠蔽したという動機ではなく、純粋に3人の将来を心配したという判断のように見えるために、加賀の言い分は最もであるものの、一介の教師でしかない糸川にそれほどの高尚なモラルを要求することは気の毒に思えた。そもそも偉そうなことを言っている加賀においても、自身の父親の加賀隆正の息子に対する想いを受け止め損なっているのだから、言葉に説得力が無いのである。水泳部の部員の1人である青柳悠人の父親である青柳武明の言動も奇妙なもので、息子の在宅中に勝手に息子の部屋にまで入ってパソコンをチェックするという大胆な行動を取れる割には、息子に面と向かってはっきりものが言えない不思議なコンプレックスを抱えている。
これらの様々な‘教育’問題の源はプロットにおいてサスペンス性を優先させたためだと思うが、まるで結末から仕上げたようなサスペンスの完成度の高さと比較して、‘人間ドラマ’としての薄っぺらさは隠しようがなく、テレビの2時間ドラマを大画面で観たという印象しか残らなかった。
北の湖親方が理事長復帰=相撲協会役員改選(時事通信) - goo ニュース
「相撲協会理事選の投票結果は次の通り。定数10、有効投票総数109。カッコ内は現役
時代のしこ名、所属一門、※は現職、☆は復帰、無印は新顔。
▼当選 ▽尾車(元大関琴風、二所ノ関)=13票▽楯山(元関脇玉ノ富士、二所ノ関)=12票▽貴乃花※(元横綱、貴乃花グループ)春日山(元幕内春日富士、立浪)=以上11票▽北の湖☆(元横綱、出羽海)出羽海※(元関脇鷲羽山、出羽海)八角(元横綱北勝海、高砂)鏡山※(元関脇多賀竜、時津風)=以上10票▽千賀ノ浦(元関脇舛田山、出羽海)=9票▽九重☆(元横綱千代の富士、高砂)=7票
▼落選 ▽友綱※(元関脇魁輝、立浪)=6票▽伊勢ケ浜(元横綱旭富士、立浪)=0票」
何故か強行に出馬した伊勢ケ浜親方はこの日の投票前に辞退を申し入れたが、既に
立候補の受付期間が終了していたため受理されず、「(立候補辞退は)仕方ない。最後まで
悩んだが、一門の和を乱したくなかった」などと釈明している。立浪一門からは春日山親方が
11票を獲得して当選しているが、この内2票を回せば友綱親方も当選していたことになる。
この伊勢ケ浜の不可解な言動は九重親方を当選させる意図があったのではないだろうか
伊勢ケ浜の真意は分からないが、星取りの勘定だけは上手い人たちばかりなのだから。
「東海」 日本海と併記、米州法案1票差で否決(産経新聞) - goo ニュース
JTBパブリッシングが2005年に発行した「JTBキャンブックス 韓国鉄道の旅」に掲載した
地図で日本海を「東海(日本海)」と表記した問題が明るみになったばかりであるが、まさか
米ワシントン近郊のバージニア州議会をピンポイントにして、州内の公立学校の教科書に
日本海を「東海」と併記させようと企んでいたとは想像もしていなかった。確かにアメリカ人
のほとんどはアジアに関心などないだろうから、祖先がアジア人でなければ東海だろうが
日本海だろうがどうでもいい話ではあるのだが、国連が公式に認めた「日本海」という表記を
ねじ曲げてまで変えさようと目論む韓国系団体は不埒というよりも気味が悪い。
アンナと過ごした4日間
2008年/フランス
4日間の‘試験’
総合 100点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
独身の中年男の主人公レオンが、ある出来事をきっかけに片想いしてしまった若い看護婦のアンナの住む寮の側の小屋に住んで双眼鏡を使って覗きを始めてしまい、その想いが高じて、亡くなったレオンの祖母が使用していた睡眠薬をアンナが使っている砂糖の入っているビンに混ぜて、夜に熟睡しているアンナの部屋に忍び込むという単純な話だと思って観ていたのであるが、ラストのワンカットで全てをひっくり返された。ワンカットでこれほど驚かされたことは久しぶりだと思う。
ラストで釈放されたレオンは小屋に戻ってくるのであるが、何と目の前にあるはずのアンナの住んでいた寮が無くなっているのである。何故誰もこの衝撃のシーンに言及していないのか不思議なのであるが、私が本作の‘サスペンス性’について言及しておきたい。
レオンは病院の仕事で扱っていた死体の手の指についていた指輪を黙って抜き取り、指輪を納めるケースだけを買ってアンナにプレゼントしようとするが、直接渡すことが出来ずにアンナの住む室内に隠してしまう。やがてアンナは室内でその指輪を発見すると、病院長に報告し、病院長は指輪が見つかったことをレオンに報告してレオンを解雇してしまう。
収監されているレオンにアンナが面会に訪れて、レオンのアンナに対する愛には感謝しているが、指輪は受け取れないとして返してしまう。アンナはレオンが犯人ではないことが分かっただけで十分であり、アンナの胸に触れようとしたが、ギリギリで思いとどまったレオンは‘試験’に合格する。
レイプの被害に遭ったアンナの部屋の窓が壊れたまま放置されているという不自然さを考えるならば、アンナと病院の院長は結託してレオンが強姦魔であるのかどうか確かめるために大規模なテストを施したと考えるべきであろう。
日本海を「東海」と表記、JTB系ガイド本絶版(読売新聞) - goo ニュース
旅行情報誌などを出版しているJTBパブリッシングが発行したガイドブックの地図で、
日本海を「東海(日本海)」と表記していたという問題に関して、さすがに一出版社の一冊に
書かれていたことが、「東海が日本政府の公式見解と受け取られてしまう」とは個人的には
思わないが、JTBパブリッシングという出版社が実は韓国系の会社なのかもしれないとは
疑ってしまう。日本人であるならば、海沿いの鉄道路線地図の一部を韓国鉄道庁(当時)の
資料から特別な意図なく引用したとしても、「東海(日本海)」という表記に違和感を抱くはず
だからである。「東海」という言葉を見ればどうしても東海地方を思い浮かべるはずなのだが。
女性の“逆ナンパ”成功率は74%(R25) - goo ニュース
女性の“逆ナンパ”の成功率は74%と聞いて思い出すことは最近の有名人同士の結婚
である。楽天の田中将大とタレントの里田まいが結婚することが発表されたばかりであるが、
元プロ野球選手の斉藤和巳とスザンヌも去年の12月に入籍した。諸事情を勘案する
ならば、これらは“逆ナンパ”によるものだと思うが、上には上がいるもので、例えば読売
ジャイアンツ投手の澤村拓一は元日本テレビアナウンサーの森摩季による“逆ナンパ”で
あるだろうし、JRA騎手の三浦皇成はタレントのほしのあきによって“逆ナンパ”されたことは
明らかで、女性の“逆ナンパ”の成功率の高さはこのような“必死さ”によるものだと思う。
エッセンシャル・キリング
2010年/ポーランド=ノルウェー ほか
‘エッセンシャル・キリング’という枷の効用
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
上空をアメリカ軍のヘリコプターに、地上でも3人のアメリカ兵に追い詰められていた、アッラーを信仰している主人公のムハンマドが、既に死亡していた兵士からバズーカ砲を奪い、3人のアメリカ兵を吹き飛ばすという構図は、既存のイスラムとアメリカの対立と結び付けて捉えがちではあるが、極力政治色は排除されており、まるで紛争というものは主義主張ではなく、ムハンマドがアメリカ軍のヘリコプターから受けた弾頭の爆破により耳が聴こえなくなる、あるいは出血過多により視界が悪くなるという後遺症によるコミュニケーションの不具合により起こるもののように描かれている。その結果、ムハンマドはタイトル通りに「欠くことができない殺害」を遂行しながら逃げ続ける。
ムハンマドが殺す相手は、自分に向かってきそうな男や動物であり、男でも老人であれば、動物でも襲ってこなければ殺すことはなく、当然女性や子供を殺すことはない。
ようやくムハンマドはマーガレットという女性に助けられることになるが、タイトルを勘案するならば‘主人公’はここでマーガレットに変わっていると思う。まるでムハンマドの意志を継ぐようにマーガレットは、出来るだけムハンマドを殺さないように努める。家に訪ねてきた警察官にムハンマドの存在を知られないようにし、ムハンマドの傷の手当てをした後に、白馬を用意してムハンマドを送り出す。聾唖者ではあってもそのまま送り出せばムハンマドが死ぬことは分かるはずであるが、徹底した‘エッセンシャル・キリング’というストイックさこそが活劇を生み出すのである。
わしは秋葉原超えた…マツダ12人殺傷の被告(読売新聞) - goo ニュース
マツダ本社工場連続殺傷事件の被告である引寺利明は、「わしは秋葉原を超えた」と知人
に話していたようであるが、被害者の数で比較するならば、死亡者1人、重軽傷者11人に
対して、秋葉原通り魔事件においては、死亡者7人、負傷者10人であり、何をもって
“超えた”と言っているのかはよく分らない。さらに秋葉原通り魔事件は論壇を賑わせ
ムック本まで出版される“盛況振り”であったが、地方の工場で起こった事件であることや、
当時の犯人の年齢が40歳を超えていたこともあり、マツダ本社工場連続殺傷事件では
知識人といえども読者を引きつける魅力的な“物語”を作ることが難しかったようである。
口コミ不信をあおる「ステマ」はどこまで拡がるのか(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
ステルス・マーケティングの定義に関して、「何をもってそう呼ぶかは人によってさまざま
だが、比較的オーソドックスでわかりやすい解釈を引用すると、『消費者に宣伝と気づかれ
ないように宣伝行為をすること』(Wikipediaより)となる」らしいのであるが、そうなると
最近のバラエティ番組はずいぶん“ステルス・マーケティング”をしている事になってしまう。
例えば、テレビ朝日の「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」などはゲームを
装っていても明らかにレストランやコンビニなどの宣伝行為である。一度、一位に挙がった
スイーツを食べたことがあるが、もちろん決してまずくはないものの特別に美味しいとは
思わなかった。芸人の“オーバーリアクション”に騙されたと思ったが、これは“ステマ”
特集:ユスフ三部作オールナイト
-年/-
セミフ・カプランオール監督『卵』『ミルク』『蜂蜜』
総合 100点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
セミフ・カプランオール監督の『卵』(2007年)『ミルク』(2008年)『蜂蜜』(2010年)の、いわゆる「ユスフ3部作」を語ることは、主人公のユスフが大人になった頃を描いた『卵』から、青年期の『ミルク』、そして6歳頃のユスフの『蜂蜜』と人生をさかのぼって描かれていることなど、難しいのであるが、とりあえず気がついたことを記しておきたい。
3部作共に冒頭のシーンが印象的で、物語の中核をなすもので、現れた登場人物が一旦カメラのフレームから外れた後に再び現れる。『卵』ではユスフの死んだ母親のゼーラが画面奥から現れて、天国なのか地獄なのかはっきりしない街を目指して歩いていく。『ミルク』は机に向かってなにやら書いている祈祷師の合図で2人の人物が近づいてきた後に、一緒に画面奥に向かう祈祷師は、一瞬机の上に置いてあるガラスビンに隠れるのであるが、まだ若いゼーラを木に吊るして、飲み込んでしまったヘビを吐き出させる。『蜂蜜』はユスフの父親であるヤクプが森の中に蜂蜜を取るために蜂の巣を探しにやって来て、高い木に登っていた途中で、ロープが切れて事故に遭遇するシーンから始まる。このように画面を出入する有り様は、『蜂蜜』において父親のヤクプの遺伝であることが分かるユスフの癲癇の発作による意識の喪失にも類似し、吃りながらもなんとかして口から言葉を紡ぎ出しながらやがて詩人になるユスフを暗示する。
しかし「ユスフ3部作」のメインとなるものはユスフではなくて、『卵』の冒頭で、古本屋を営んでいるユスフが訪ねてきた女性客にワインのビンと引き換えに売った料理本なども鑑みると、タイトル通りに「食」そのものであろう。母親の遺言をいとこのアイラから聞かされたユスフは生け贄にする羊を探すことになり、襲われたのか、じゃれつかれたのか分からないがユスフは羊の群れの番犬と一夜をともにし、ラストはアイラが手渡す卵と一緒に朝食を取る。
『ミルク』においてもユスフと母親は牛乳製造販売を営んでおり、2人の関係の亀裂は母親に新しい恋人が出来たというよりも、ユスフが捕獲して家に持ち帰ってきたナマズに対して母親が羽根をむしっている鳥という食の好みの違いが際立ったからであろう。ラストのユスフの友人のヘルメットに付いているヘッドランプのアップに意味があるとするならば、光のおかげで画面に物や人物が映るのではあるが、過多の露光は全てを真っ白く消してしまうという、「食する」ことと同様の儚さを暗示したものだと思う。
既に書いたように『蜂蜜』の頃の吃音症のユスフは言葉を紡ぎだすことに必死なのであるが、産み出されたものを取るだけの卵や、搾ることで手に入るミルクと違い、蜂蜜を手に入れるためには少しだけ‘冒険’が必要であり、言葉と食と命の儚さが絶妙なモンタージュで織り成され、ようやく‘旅’を終えたユスフは森の奥で深い眠りにつくことになるのであろう。