原題:『覆面系ノイズ』
監督:三木康一郎
脚本:三木康一郎/横田理恵
撮影:板倉陽子
出演:中条あやみ/志尊淳/小関裕太/磯村勇斗/杉野遥亮/真野恵里菜/中島亜梨沙/渡辺大
2017年/日本
「覆面」で見えない深層心理について
主人公の有栖川仁乃(アリス、ニノ)は小学生の頃は榊桃(モモ)と一緒に帰宅する仲だったが、隣に住んでいた桃はある日引っ越してしまった。そんな時に仁乃が海岸で出会ったのが、当時咽喉の病気で療養していた杠花奏(ユズ)だった。
時は流れて高校2年生になったニノは転校先で偶然ユズと再会することになる。一方でニノはヴォーカルオーディションで既に敏腕プロデューサーとして活躍していたモモとも再会するのであるが、何故かモモはニノと会うことを避けているようで、実際にモモは書類選考でニノを落としたはずだったのだが、モモのマネージャーの久瀬月果の余計な機転で再会してしまうのである。
その後、ニノの声を巡りユズとモモの争奪戦が展開されることになる。ユズは自身の声を失ってからニノの声を求めるようになったのだが、モモは父親の借金の返済のために音楽を作るようになり、魂を売ったことに後ろめたさを感じており、それがニノとの再会をためらわせていたのである。
この争奪戦は6年かけて作ったユズの「Close to me(僕に近づいてきて)」とモモが作った「Find You(君を見つける)」のどちらを選ぶのかというニノの選択に任され、ニノが「in NO hurry to shout(急いで叫ぶことはない)」、通称「イノハリ」というバンドで「Close to Me」を披露することになるのだが、ストーリー全体を通してみると恋愛話に終始してしまい、ユズの病気のことやモモの家庭環境のことなどがストーリーに絡むことなくおざなりのままなので全く深みが感じられない。
バンドメンバーの悠埜佳斗(ハルヨシ)が告白することで珠久里深桜と交際することになるのだが、その喋り方でてっきりゲイだと思っていたので驚いた。