原題:『Sorry We Missed You』
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラバァティ
撮影:ロビー・ライアン
出演:クリス・ヒッチェンズ/デビー・ハニーウッド/リス・ストーン/ケイティ・プロクター
2019年/イギリス・フランス・ベルギー
世界的な「黄色いペットボトル」問題について
主人公のリッキー・ターナーはかつて建築関係の仕事に携わっていたのだが、不況により仕事を選ぶことができなくなり、今は宅配ドライバーとして働いているのだが、それは個人事業主として宅配事業者と契約をするというフランチャイズという業務形態で、事業者からのクレームを甘んじて受けなければならなず全ては自己責任で、休みを取る場合には他のドライバーを自分で頼まなければならない。妻のアビーは介護福祉士を生業としており、相手からのクレームを自分で処理しなければならず、とかくサービス残業が増えてしまう。宅配業と介護職は今では最もきつい仕事として知られ、なおかつ2人にはまだ学生の長男のセブと長女のライザ・ジェーンがいるのだから、そのストレスは計り知れない。
その上、ターナー一家が暮しているイギリスのニューカッスルはインフラも疲弊していて、例えば、荷物を届けにきたアパートのエレベーターが二基ともに故障したりしているのだから、体を酷使せざるを得ないのである。
最近日本で話題になっているのが路肩に散乱している「黄色いペットボトル」問題で、この問題はリッキーが宅配ドライバーとして働く初日に同僚が「トイレに行く暇さえないから」と言って不審がるリッキーに空のペットボトルを渡しており、もはや世界的な環境問題なのである。