David Bowie - My Death (Live at Hammersmith Odeon, London 1973) [4K Upgrade]
デヴィッド・ボウイが1973年にリリースしたライブアルバム『ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー
(Ziggy Stardust: The Motion Picture)』に収録されている「俺の死」を和訳してみる。オリジナルはフランス人の歌手である
ジャック・ブレルが1959年にリリースしたアルバム『La Valse à Mille Temps』に収録されている「死(La Mort)」である。
「My Death」 David Bowie 日本語訳
俺の死は悪賢い老人のように待っている
とても信頼しているので俺は彼のやり方に従い
彼と過ぎゆく時に笛で合図をおくる
俺の死は俺の青春の葬儀の場面で
聖書に書かれた真実のように待っている
俺たちは死と過ぎゆく時にお辞儀をした
俺たちの愛が輝くのと同じくらい確実に
俺の死は夜の魔女のように待っている
過ぎゆく時に関しては考えないようにしよう
でも部屋のドアの背後で何が待っていようと
するべきことなどたいして無いんだ
天使だろうが悪魔だろうが俺は気にしない
あのドアの前にはおまえがいるのだから
俺に死は暗い心を通じて世界を目にする
盲目の物乞いのように待っている
過ぎゆく時のために10セント硬貨を彼に投げ与える
俺の死はおまえの股の間で待っている
おまえの冷たい指が俺の目を閉じるんだ
死と過ぎゆく時に関して考えてみよう
俺の死は俺の友人たちを許すために待っている
終わる前にはいくつか良いタイミングがあるものだから
死と過ぎゆく時に乾杯しようではないか
でも部屋のドアの背後で何が待っていようと
するべきことなどたいして無いんだ
天使だろうが悪魔だろうが俺は気にしない
あのドアの前にはおまえがいるのだから
俺の死は葉々に隠れて待っている
マジシャンの不思議な袖の中には
ウサギと犬と過ぎゆく時が潜んでいる
俺の死は花々に隠れて待っている
真っ黒な影の中で真っ黒な影がちぢこまっている
過ぎゆく時のためにライラックを摘もう
俺の死はダブルベッドの上で待っている
俺の頭の中では忘却が航行しているから
過ぎゆく時に抵抗してシーツを引っ張ろう
でも部屋のドアの背後で何が待っていようと
するべきことなどたいして無いんだ
あのドアの前にいるものが
天使だろうが悪魔だろうが俺は気にしない
ありがとう
オリジナルのジャック・ブレルの「死」も和訳しておきたい。
「La mort」 Jacques Brel 日本語訳
死は過ぎゆく時をもっと上手く刈り集められるように
麦刈り用の半月鎌の置き場所にいる
年老いた女性のように俺を待っている
死は過ぎゆく時をもっと上手く嘆くように
俺の青春の葬列に並ぶ
王子のように俺を待っている
死は過ぎゆく時をもっと上手くあざ笑えるように
俺たちの結婚式の火事に出くわす
(『眠れる森の美女』に登場する女性の姿をした悪の精の)カラボスのように俺を待っている
でもあのドアの背後に誰がいるんだ?
既に俺を待ちかまえているのは誰なんだ?
天使でも悪魔でもどっちでもいい
あのドアの背後にはおまえがいるのだから
死は過ぎゆく時をもっと上手く凍らせるように
俺自身を目覚めさせることを忘れさせる
枕に下で俺を待っている
死は時が過ぎているともっとはっきり認識させるために
真夜中に俺に会いに来る
俺の友人たちを待っている
死は過ぎゆく時とはっきり別れるために
瞼を閉じなければならない
きれいなおまえの手の中で俺を待っている
でもあのドアの背後に誰がいるんだ?
既に俺を待ちかまえているのは誰なんだ?
天使でも悪魔でもどっちでもいい
あのドアの背後にはおまえがいるのだから
死は過ぎゆく時にはっきりと釘を打つために
俺の棺の材料である木の
最後の薄板と共に俺を待っている
死は過ぎゆく時により華を咲かせるために
墓堀人が俺の上に投げた
ライラックの間で俺を待っている
死は過ぎゆく時を閉じるために
ぴんと張られた忘却のシーツにくるまれた
ダブルベッドで俺を待っている
でもあのドアの背後に誰がいるんだ?
既に俺を待ちかまえているのは誰なんだ?
天使でも悪魔でもどっちでもいい
あのドアの背後にはおまえがいるのだから
Jacques Brel - La mort