長野県/司法書士竹内利一♪【黒姫法律実務研究所】

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休眠担保抹消・・相続人調査を怠って3か月の業務停止【懲戒処分】

2012-12-25 | Weblog
ご自宅の不動産にあってはおかしい担保の登記はありませんか?

借金などが片付いて,担保の抹消登記にまで手が回らず,放置している例があります。
担保権が実体法上消滅している場合,遅滞なく,速やかに抹消の手続きをすすめることをおすすめします。

長期間放置していると,
担保権者が抹消登記に協力してくれないという事態が生じてしまうこともあります。
こうなってしまうと,
単独で担保の登記を抹消するために訴訟手続きを駆使することになります。
登記費用のほかに裁判費用もねん出して相手と闘うことになってしまいます。

また,費用負担を嫌って,
とりあえず実害がない目の上のたんこぶ的担保の登記を放置すると永眠担保としてずーと残ることになります。
子・孫・ひ孫・やしゃごの代に厄介ごとを先送りしてしまうことになってしまいます。

相続登記の際に,登記記録の乙区に担保など余計な登記の記録を発見した時は,
早々に,司法書士に依頼して是が非でも抹消登記の手続きを依頼した方が良いでしょう。

先日10年以上経過した登記の抹消登記の依頼を受けましたが,
依頼者からは,いくらかかっても良いから手続きをしてほしいと言われていました。
数か月をかけて,余計な手間はかかりましたが,
担保権者の協力が得られ,1件たり登記費用3万円程度で処理しました。

しかし,
担保権者が比較的容易に探知でき,さらに協力的だったから良かったものの,
担保設定の登記から20年50年100年経過していると,そうそう簡単に済むことはありません。
調査の結果によって,抹消登記の手続きの方法を検討した時,
何十万円もの登記費用が必要であることが分かったときに,
依頼者はどんな気持ちになるだろうと真剣に考えています。自分なら嫌です。
1件あたり登記費用5万円程度で完了できれば良いのですが・・・

かと言って,懲戒処分を覚悟で安価な方法で手早く抹消登記をすすめるわけにもいきません。。
知恵の絞りどころでしょうか。

ある司法書士は,不動産登記法70条3項後段に規定する技術上簡便な方法を選択し,
抹消登記のための手続きをすすめた結果,同職司法書士が懲戒処分を受けたという事例を研修を通じて学びました。
ここでぼったくり的に登記費用を依頼者から受けっといたなら問題だと思いますが・・・

【不動産登記法】
(登記義務者の所在が知れない場合の登記の抹消)
第七十条  登記権利者は、登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法 (明治三十一年法律第十四号)第百四十一条 に規定する公示催告の申立てをすることができる。
2  前項の場合において、非訟事件手続法第百四十八条第一項 に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で前項の登記の抹消を申請することができる。
3  第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。

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