学校の帰りに寄ったブックオフで、次の授業までの時間を潰そうとしていたのだが、大学の授業は90分と長い。その間の暇を埋めてくれるのは大河作品しかない……と思い、巨人の星の文庫版を手に取ったのです。
巨人の星……もう読まれた事のある方はおわかりでしょうが、まだ未読の方はこの作品にどんな印象をもってらっしゃいますか?
「熱血」 「スポ根漫画」「ちゃぶ台返し」「声がアムロ」「ねえちゃん木の陰」
と、そんな当たりじゃないでしょうか。私もそんな風に思っていました。
たしかに凄いスポ魂熱血漫画です。というか、この作品がその手の作品の代表だから。なんとなく古臭いんじゃないかなあと思っていたのです。何せ1960年代の漫画です。が、
むしろ一回りして新しさを感じてしまいました。
聞いた事のない言い回しが多々出てきます。そのボキャブラリーが私の感性をすごーく刺激するのです。親ばかちゃんりん、って何さ。
で、やはり巨人の星も少年漫画ですから、恋愛の要素もわずかながらあるのですよ。
一つは星飛雄馬と美奈さんの悲恋。美奈さんが悪性肉腫で余命が幾許もないのを知り叫んだ言葉が凄い。
「こんな素晴らしい人を愛したんだ! もう青春なんかいらん! 終われ!!」
野球マシーンと呼ばれたショックで、人間性を取り戻そうと金に執着したり恋をしたりして、ようやく愛すべき女性を見つけたもすぐに別れが……でも、自分の人生にもほんの一時でも人間らしい思い出ができた……もう、満足だ……という飛雄馬の気持ちがこの言葉に集約されています。
そしてもう一つの恋は飛雄馬の姉、明子ねえちゃんの恋。
なんと明子ねえちゃんは二人の男性からアプローチを受けるのです。
一人は星のライバル、花形満。そしてもう一人は星の高校以来の親友、伴宙太。
この恋の結末。明子ねえちゃんは花形夫人となって伴は振られてしまうのですが。
この明子ねえちゃんの伴の振り方が酷いなあ、と思うのです。私はどうしてももてない方に感情を移入させてしまうなあ。
「このさいだから告白するがおれはずっと以前から明子さん あんたを……」
と伴が切り出せば、明子ねえちゃん、す……っと手を前に出して
「その先はおっしゃらないで」
こう言う事によって「あなたの事は受け入れられないけど、これは私が悪いわけじゃないのよ」的な何か狡猾な部分を感じてしまうのです。
そして花形が「しばらくですね明子さん」と話しかければ顔を赤らめて「花形さん し、試合のほうは?」と顔を赤らめるのです。
花形と伴。どっちも金持ちの息子。明子ねえちゃんは野球人間はあまり好きじゃないのに超野球人間の花形を選んだ理由は……顔か!明子ねえちゃん面食いか。
でも、伴の方がいい男ですよ。ええ、悲しいけど男の言ういい男が、必ずしも女性にとって魅力的にうつるわけではないのですが。
巨人の星……もう読まれた事のある方はおわかりでしょうが、まだ未読の方はこの作品にどんな印象をもってらっしゃいますか?
「熱血」 「スポ根漫画」「ちゃぶ台返し」「声がアムロ」「ねえちゃん木の陰」
と、そんな当たりじゃないでしょうか。私もそんな風に思っていました。
たしかに凄いスポ魂熱血漫画です。というか、この作品がその手の作品の代表だから。なんとなく古臭いんじゃないかなあと思っていたのです。何せ1960年代の漫画です。が、
むしろ一回りして新しさを感じてしまいました。
聞いた事のない言い回しが多々出てきます。そのボキャブラリーが私の感性をすごーく刺激するのです。親ばかちゃんりん、って何さ。
で、やはり巨人の星も少年漫画ですから、恋愛の要素もわずかながらあるのですよ。
一つは星飛雄馬と美奈さんの悲恋。美奈さんが悪性肉腫で余命が幾許もないのを知り叫んだ言葉が凄い。
「こんな素晴らしい人を愛したんだ! もう青春なんかいらん! 終われ!!」
野球マシーンと呼ばれたショックで、人間性を取り戻そうと金に執着したり恋をしたりして、ようやく愛すべき女性を見つけたもすぐに別れが……でも、自分の人生にもほんの一時でも人間らしい思い出ができた……もう、満足だ……という飛雄馬の気持ちがこの言葉に集約されています。
そしてもう一つの恋は飛雄馬の姉、明子ねえちゃんの恋。
なんと明子ねえちゃんは二人の男性からアプローチを受けるのです。
一人は星のライバル、花形満。そしてもう一人は星の高校以来の親友、伴宙太。
この恋の結末。明子ねえちゃんは花形夫人となって伴は振られてしまうのですが。
この明子ねえちゃんの伴の振り方が酷いなあ、と思うのです。私はどうしてももてない方に感情を移入させてしまうなあ。
「このさいだから告白するがおれはずっと以前から明子さん あんたを……」
と伴が切り出せば、明子ねえちゃん、す……っと手を前に出して
「その先はおっしゃらないで」
こう言う事によって「あなたの事は受け入れられないけど、これは私が悪いわけじゃないのよ」的な何か狡猾な部分を感じてしまうのです。
そして花形が「しばらくですね明子さん」と話しかければ顔を赤らめて「花形さん し、試合のほうは?」と顔を赤らめるのです。
花形と伴。どっちも金持ちの息子。明子ねえちゃんは野球人間はあまり好きじゃないのに超野球人間の花形を選んだ理由は……顔か!明子ねえちゃん面食いか。
でも、伴の方がいい男ですよ。ええ、悲しいけど男の言ういい男が、必ずしも女性にとって魅力的にうつるわけではないのですが。