strong>形代の嘘いつはりのなき形 矢島久栄
【名越の祓】 なごしのはらえ(・・ハラヘ)
◇「夏越の祓」(なごしのはらえ) ◇「夏越」 ◇「大祓」(おおはらえ) ◇「御祓」(みそぎ) ◇「形代」(かたしろ) ◇「夏祓」(なつはらえ) ◇「川祓」 ◇「夕祓」 ◇「祓川」(はらえがわ) ◇「川社」(かわやしろ) ◇「禊川」(みそぎがわ) ◇「茅の輪」(ちのわ) ◇「茅の輪潜り」(ちのわくぐり)
毎年6月晦日に行われる祓の神事(夏越の祓)で、参詣人に茅の輪をくぐらせ厄を祓い浄める。邪神を和(なご)めるために行うことから名付けられた。「形代」は紙でできた人形(ひとがた)で、これに身体の災いを移し、川に流して禊や祓を行うもの。「茅の輪」は主として近畿地方の神社で、陰暦6月晦日の夏越祓の神事に用いられる茅(ち)の輪の事。茅を紙で包み束ねて輪の形に作り、神社の内に置いて参詣人にくぐらせ厄を祓うという信仰からきている。
例句 作者
筑後川茅の輪の中に曲がりけり 久保山敦子
まだ誰も通らぬ茅の輪風が抜け 杉山伊都子
みちのくの毳立つ茅の輪くぐりけり 矢島渚男
漁に出る支度でくぐる茅の輪かな 高野岩夫
擂粉木のほどほど減つて名越済む 能村登四郎
夕風は竹に吹きゐる夏越かな 永方裕子
形代の妻はさつさと流れけり 湯浅康右
思川白きもの立て夏祓 阿波野青畝
流れゆき誰が形代と重なりし 菅原鬨也