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 2022年1月、永久帰国

性悪説

2016年12月12日 | サイゴン生活

 2013年4月、この地で初めて生活を始めた。当時は、入会していたNPO会長に紹介された大家の一室を間借りしていた。部屋は6畳一間とバストイレ。電気代とWiFi代込、ガス代と御手伝いさんへの謝礼別途で月300ドルだった。アパート代の相場が分からなかったので、当時働いていたV大学の学生に相場を聞いてみた。すると、「一間で300ドルは高すぎますよ」との返事。そうか、そうだったんだ。この部屋は6か月で引っ越しした。

 その家の大家(製薬会社の社長)が、住み始めた翌日、近くにあるスーパー「COOP」を案内してくれた。大家は場所だけ案内してそのまま帰ってしまったので、一人で買い物をすることになった。どんな物が売られているのか、品ぞろえは日本と同じなのか、いろいろ興味深々で売り場に入ろうとしたら、警備員に呼び止められた。

 背中のリュックサックを指さして、「ダメ」というジェスチャー。連れていかれたのは、バッグなどを預けるカウンターだった。

 客は、バッグなどを持って売り場に入ることはできない。そういえば、みんなこのカウンターに持ち物を預けている。

 日本のスーパーやデパート・書店などでこのシステムを導入したら、顧客の反応はどうだろうか?きっと、「私たちを信用していないか」だろう。

 ここでは、たぶん、「客は万引きするかもしれない・見ていなければ恐らく万引きするだろう」という「性悪説」の観点から他人に対処しているのかもしれない。

 下の写真は、大学から歩いて15分ぐらいのところにあるスーパー「COOP」。大学の近くには小さなスーパー2店と、コンビニが多数あるので、このスーパーに来るのはそれらの店にない物だけ。例えば、ウイスキー。

 

 

 

 

 ここが荷物預かり所。引換券を渡してくれる。

 日本でもこのようなシステムを導入すれば、万引きは決してできない。万引き防止のために保安員を配置して人件費をかけるより、この方がいいかもしれない。でも、日本では難しいかな。たぶん、日本では、「性善説」を取っていると思うから。

 

 この荷物預かり所の係員に限らず、ほとんどの店員は無愛想を絵にかいたような酷い対応をする。ところが、ある日ここに行くと、ベトナム語で「○×・・・・」と愛想よく話しかけてくる店員がいた。私が「ベトナム語わかりません。日本人です」と言うと・・

 その店員は、「ジャパン、ナンバーワン」と言ってくれた。ベトナムでは、日本製品の品質の高さには定評があり、家電製品、車、バイクなど日常生活に欠かせないものを買うときは、高価格だけど日本製を買う人が圧倒的に多い。

 日本人として嬉しいじゃないですか。


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