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赤べこ719系 秋田へ?

2017-04-03 23:21:21 | 秋田のいろいろ
最近、JRの話題ばかりで恐縮ですが、またまた。
当ブログへアクセスいただいた検索ワードで知ったのだが、先週、秋田のJRで興味をひかれる出来事があった。(以下、憶測ばかりで信憑性はありません)
仙台支社で普通列車として使われ、新型車両導入により運行を終了していた「719系」電車のうち、2両編成×2本=計4両が、秋田へ運ばれたという。「配給列車」という業務用列車扱いで運ばれ、いちおう愛好家向けには、雑誌やサイトで公表されたのかな。

719系は東北本線で多く走っていたが、福島の磐越西線でも使われていた。(現時点では両路線とも、わずかに719系が残っている)
磐越西線では、赤と黒のラインに、会津のマスコットキャラクターである赤べこの「あかべぇ」を描いた車両が運用されており(内装は変更なし)、秋田へ来た4両もその一部。
2007年撮影(写真の車両は秋田へは来ていない)

使わなくなった車両が秋田へ来るのは珍しくはない。「秋田総合車両センター(旧・土崎工場)で解体する」「置き場所がなくて、とりあえず秋田に置いておく」「車両を他用途に転用するため、秋田総合車両センターで改造を行う」といった理由。
そういう場合、配給列車名には「廃車」「疎開」「入場」といった理由が付記されるのだが、どうも今回はそのいずれでもなく、「719系秋田転属配給」という名目だったらしい。
秋田へ運ばれた719系は、秋田総合車両センターへ入ったとのこと。センター横を通過する列車の窓から見る限り、屋外には置かれていなさそうで、庫内で整備中なのか。
719系は1989年から製造された車両(外観は国鉄末期っぽいけど、JR化後なんだ)。引退した後は、廃車になるのかと思っていたけれど、土崎で何らかの整備を行った後、そのまま秋田の車両基地に所属して、秋田を走るということだろうか。とすれば用途は?

ネット上の意見も踏まえて、秋田へ来た719系の今後として考えられるのは、
・観光列車に改造
福島では、719系を改造したカフェ列車が走っている(廃車にならず継続運行中)。そんなのの秋田版?
でも、秋田では、電車よりも気動車を改造したほうが、活躍の幅が広がりそう。
それに、元リゾートしらかみだった車両も既に2本(旧青池→クルージングトレイン、旧ブナ→用途未定?)ある。そこへ新たに電車を4両も改造するだろうか。


・701系不足分の穴埋め
2016年1月の踏切事故により、秋田地区の普通列車用701系電車のうち1本が使えなくなっている。
2両編成が1本不足する状態だが、通常の運用には支障がないようで、修理する気配もなく、繁忙期は仙台から701系を借用して対処していた。
また、JR東日本では、秋田周辺に安全性の高い保安装置(ATS-P)を導入する計画があるそうで、それに合わせて701系を対応させる改造工事が必要になるらしい。工事中は車両がさらに不足する。
その穴を719系で埋めようとしているのかもしれない。
今の時期から準備しておけば、今年の夏祭りシーズンには、もう借りてこなくても済むだろう。

でも、719系は、秋田ではこれまで走ったことがない車両で、機器類も701系とは相違点が多い。乗務員訓練が必要だし、整備面でも手間が増えそう。座席配置が違うから、客も戸惑う。
あと、701系と719系は、併結運転はできない仕様だそうだから、そのまま701系の予備や代走に入れるといった単純な代替をするのは難しい。
だったら、仙台から719系でなく701系を転属させたほうが話が早い。


・701系から分離して、719系限定の普通列車運用新設
701系穴埋め説の延長。
今まで701系だった運用のうちどれかを、719系固定にしてしまえば、乗務員訓練や現場の手間はあるが、客はさほど困らない。不足しているのは2両編成1本なのに、2本来たのは、その固定運用での予備分を含むと考えればしっくり来る。
では、どの運用を分離させて、どこを走らせるか。

719系は、オールロングシートではなく、2人掛けまたは4人掛けのクロスシートがメイン。座席の回転はできず、半分の席が後ろ向きになる、変わった座席配置(「集団見合い型」と呼ぶのだが、言葉では説明しづらい)。
となると、ロングシートでは見劣りする長距離の列車?
現在は、申し訳程度のボックスシートが増設された3編成の701系が走っている、秋田-新庄(の一部)、秋田-弘前の特急代替の快速など、いいんじゃない?

ネット上では、青森-蟹田の津軽線電化区間を走るのではないかというウワサも。
この区間も秋田の701系電車が走っているが、他路線との直通列車は奥羽本線・津軽新城行きが1本あるだけで、運用はほぼ独立している。そこに719系を入れるということ。ダイヤ上、2本あれば回せそう。でも、津軽線は701系の3両編成がよく走っている気がするから、2両では輸送力が不足しないかな。
津軽線といえば、車両不足の根源である踏切事故の現場。これが実現すれば、因縁めいたものを感じるが、古いとはいえ短距離路線にいい座席の車両はうらやましい。
この場合、秋田で行わなければいけないメンテナンスもあるだろうから、その回送の効率が悪そう。青森-秋田での営業運転をしてもいいか。

以上、憶測。

719系には、たぶん4回乗車したことがある。いずれもここ15年ほどの間。
うち1回は、山形のミニ新幹線区間(標準軌)用の車両なので、今回置き換えが進む狭軌用とは別グループ(外観・内装はほぼ同じ)。あとは仙山線(現在は運用なし)で1回、上の写真を撮った磐越西線で2回。
2人掛け座席は、前後がやや狭いものの、なかなか良好で、景色を眺めながら駅弁をおいしく食べられた思い出があって、好感を持っている車両。

あと、1991年頃だと思うが、秋田地区に新型電車(要するに701系)を導入することが決まった報道において、JR東日本が提供したその完成予想図は、719系そっくりの姿だった。
「仙台と同じ形式が秋田を走るのか」と期待したものの、できあがってみれば、すとんとした形状(719系のほうが幅広)の車体、オールロングシートという似ても似つかないもので、意表を突かれた思い出も。

そんな思い出のある719系が秋田を走るのなら、ぜひとも乗ってみたい。
「秋田転属」がガセネタだった(他地域向け改造とか)というオチの可能性もなくはないけれど、今後に注目。あかべぇがいなくなっちゃうのは確実でしょうね。

【2017年4月19日追記】
その後4月19日、ネット上の情報によれば、秋田総合車両センターへ入っていた719系が本線上へ姿を現した。
外観はあかべぇがいなくなった以外は、以前のままの赤と黒の帯。所属基地の表記が秋田市楢山の秋田車両センターを示す「秋アキ」に書き換えられているとのこと。4両いっしょに土崎駅から「回送」表示で秋田駅方向へ向かったそうだ。

ということで、秋田に転属したのは確実、用途は普通列車が濃厚と言えそう。
おそらく、今日は車両センターへ入って、今後は乗務員訓練、その後営業運転投入といった流れか。
今からだと投入時期も中途半端になりそうだけど、それにしてもどこを走るのだろうか。

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9 コメント

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楽しみ! (FMEN)
2017-04-04 02:45:03
イタリアのような仙台色がまたいいんですが、秋田色になるのか新男鹿のようなカラーになるのか。
この電車は思い出がありますから好きです。
返信する
719系 (ax)
2017-04-04 18:38:10
秋田総合車両センターの小屋に719系が入っているようですし、廃車ではなく使うようですね。廃車なら外で放置でしょうし
仰るように津軽線固定が本命でしょうか
そうなると気になるのは色が秋田色のピンクになるってことですかね
出場が楽しみです
返信する
コメントありがとうございます (taic02)
2017-04-04 23:53:26
>FMENさん
東海道線などの湘南色と似ているようで、微妙に違う配色なんですよね。
あかべぇをはがして、このままの色で使うってこともなきにしもあらずかもしれませんが、どうなるやら。

>axさん
やはりそうでしょうか。
ピンク色になるか、津軽線専用とするならば区別のために別にする(青森駅では奥羽線と誤乗しそうで少々不安になった経験があります)こともあるかもしれません。
返信する
719系電車の座席配置 (秋田市のho)
2017-04-05 00:34:31
管理人 様


私個人的には、
オールロングシートが苦手な為、
719系電車の座席配置、
大好きであります。

ボックスシートを選ぶもよし、
クロスシートを選ぶもよし、
ロングシートを選ぶもよし。

集団見合型座席配置でありますので、
人によっては、
後ろ向きのクロスシートで乗り物酔いを・・・。(^・^;)
返信する
集団見合型 (taic02)
2017-04-05 23:46:48
こぢんまりとした719系の2人掛け、好きです。人によってはきゅうくつかもしれませんが。

集団見合型は日本では数例しかないそうですね。
東北上越開業時の200系(と後期の0系?)では、3人掛け席のリクライニングと回転を両立できず、回転機能を犠牲にした固定席でした。これは逆に外側向きの「集団離反型」ですが、指定席としては逆向き席を極力発売しないことにしていたとか。

秋田の人は秋田-大曲の「こまち」で逆向きにはある程度慣れているから、わりと受け入れられるかもしれません。
返信する
集団見合型か?集団離反型か? (秋田市のho)
2017-04-11 00:17:40
管理人 様


719系電車のこぢんまりとしたクロスシートに、
私の発明品であります、
携帯窓側肘掛を持参して乗ってみたくありますです。(^・^)

前向きで。(^・^;)

こまちで、
日帰りで東京へ行きます際、
行きは元気でありますので、
後ろ向きで走りましても平気なのでありますけれども、
帰りは疲れのせいもありましょうけれども、
大曲駅から後ろ向きに発車した瞬間、
気持ち悪くなりがちであります・・・。(^・^;)

今も集団離反型を選択するのかは分かりませんけれども、
当時、
東海道新幹線で、
集団見合型か?集団離反型か?、
アンケートをとりましたところ、
集団離反型となりましたようで。

『鉄道ジャーナル』の、
外国の鉄道の車内写真を見ますと、
集団見合型なんですよねえ。
返信する
日本人の選択 (taic02)
2017-04-12 00:24:23
携帯窓側肘掛とは、実用的そうですね。
壁や窓枠とひじの位置関係は、形式によってさまざまで、居住性に影響するものです。

座席配置もお国柄があるようです。
昔の新幹線の場合、見合型では対面することになり、知らない人と目が合うのを嫌ったのかもしれませんね。離反型ではそれはなく、通常の座席と同じ視界ですから。
恥ずかしがり屋の日本人の選択の結果かもしれません。
返信する
写真 (東北719)
2018-09-25 18:55:12
デカスカじゃない方か、レアだ
返信する
大型スカート (taic02)
2018-09-25 23:29:51
前面下部のスカート(排障器)が大型のものでないということですね。
原型から大型に交換され始めたのが2007年頃だそうで、掲載写真は2017年秋の撮影ですから、交換前のものを撮影していたということかと思われます。
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