広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

カツオの時間割

2021-11-16 22:40:06 | その他もろもろ
アニメ「サザエさん」へのツッコミ。
現在放送中のサザエさんは、いちおう現代を舞台としているが、自動改札機がなかったり、携帯電話普及率が著しく低かったりする。我々の住む世界に似てはいるが、別のパラレルワールドなのかもしれない。その世界に対してツッコむべきではないのかもしれませんが。

11月14日放送の2話目。作品No.8322「要領のよい学習法(脚本 城山 昇)」。カツオくんが、算数の宿題をがんばる話。
その中で、前例があったかどうかは知らないが、貴重な情報が明らかになった。
磯野カツオの学校の時間割表である。すなわち、かもめ第3小学校5年3組の。

教室の黒板の右側に貼られており、中身を明瞭に判読できるシーンが2度あった。それがいろいろと…

かもめ第3小は公立だと思われるが、自治体(世田谷区?)や学校の判断で、標準と異なる科目や時間配分にしている可能性もある。実際に、45分でなく40分授業にしたり、午前午後でコマの時間の長さを変えるような事例もあるらしい。そうした点はないものとして、以下進めます。

まず目に付くのは、土曜日も3時間の授業があること。6時間目まであるのは火曜と木曜で、そのほかは5時間目まで。合計30コマ。
学校週5日制になっていない世界なのか。
我々が小学生だった昭和末の秋田市立小学校の5・6年生は、水曜が4時間(5時間?)、土曜が3時間で、後は毎日6時間の週31時間だったと思う。

教科と時間数の内訳。
国4、算4、理3、社5、音3、体2、図2、家1、読1、道1、クラブ2、生2
「生」とされている教科がある。小学校1・2年生のみのはずの生活科だろうか。別に理科と社会もある。
「読」は読書か。昭和末の秋田市立小学校では、国語の一環として週に1回「国語(読書)」の時間が設けられていたが、4年生以上はなくなったかも。国語といえば「書写」の時間が設定されていないが、通常の国語の中でやり繰りするのかもしれない。この辺りは各学校の裁量かもしれない。
我々の頃は「特活(特別活動)」「学級会(ロングホームルーム)」も週1回ずつほどあったはずだが、ない。5年生だと委員会活動もあるし、今は「英語(外国語)」や「総合的な学習の時間」もないといけない。

週当たり時間数の配分もおかしい。ざっと見て思うのは、
いちばん時間数が多いのが社会で、火曜日以外毎日ある。多すぎる。体育2回、家庭1回は少なすぎる。
図画工作は普通は2時間続きでは。家庭も2時間続きでないとやりにくそう。

「クラブ」が2回もある。これは「必修クラブ(※)」か。「特別活動」の中に含められるようだが、我々の頃は特活と別に週1コマ確保されていた。現在は週5日制になって、週1どころか月1回に減らす学校もあるらしい。
※僕はこのクラブのことを、任意参加の部活動と区別する時は「正課(せいか)クラブ」と呼ぶと思っていた。しかし、全国的には「必修クラブ」のほうが通りがいいようだ(意味としては素直)。
Googleで検索すると「"正課クラブ"」は約3700件、「"必修クラブ"」は48000件と大差。
小学校で「正課クラブ」の名称でクラブを行っていることが確認できたのは、秋田県内が圧倒的に多いようだが、福島県須賀川市、千葉県船橋市、愛知県内各地、徳島県、山口県下関市にもあった。学術論文や文部科学省サイトにも記載があるので、まったくの地域限定な呼称でもないようだが、誰にでも通用する言葉ではなさそう。
また、土曜3時間目をクラブにすると、クラブ対象外の3年生以下との教室や教員の兼ね合いで面倒なことになりそう。下学年を下校させた、平日午後がクラブの時間の定番だと思う。

などと好き勝手に御託を並べてばかりでは失礼。文部科学省「平成27年7月16日 中央教育審議会 初等中等教育分科会 資料3-3「小学校の標準授業時数について」」から、おそらく今年度に適用されていると思われる、5学年の週当たりコマ数を拾った。なお、6年間で総計5645時間。
国語5、社会2.9、算数5、理科3、音楽1.4、図画工作1.4、家庭1.7、体育2.6、道徳1、特別活動1、総合的な学習の時間2、外国語1 計28コマ
必修クラブのほか学級活動も、特別活動に含めていいようだ。

かもめ第3小 5年3組と比較すると、
国語&読書±0、社会+2.1、算数-1、理科±0、音楽+1.6、図画工作+0.6、家庭+0.7、体育-0.6、道徳±0、特別活動(クラブ)+1、総合的な学習の時間-2、外国語-1(、生+2)。週総計+2。
こうして見ると、そんなに逸脱していないようにも感じる。進度や行事・祝日などを加味して調整すれば、なんとかなるのかも。

でも、カツオくんの算数の成績が良くないのは、時間数が足りないのも一因ではないか。社会を1~2コマ回すべきでは。
何度か再放送されている「カツオ社会が悪い(No.2210、1984年1月15日、雪室俊一)」という話がある。カツオくんの社会の点数が悪い話だったのだが、今はこんなに授業があるのだから、点数は良くなったかな。


サザエさんに限らないはずだが、背景を丁寧に作画している人たちがいる。サザエさんでは、居間の窓の外に咲く花が季節ごとに変わる。
5年3組の時間割表もその1つなのだろうけど、遊び心であえておかしくしたのか、それともテキトーに埋めたのか。



サザエさんといえば、ドラマ「マー姉ちゃん」が、現在NHK BSプレミアムで再放送中。
長谷川町子「サザエさんうちあけ話」を原作とした、1974年度前半のNHK連続テレビ小説(いわゆる朝ドラ)。熊谷真実主演、脇役に懐かしいor意外な人たちが多数出演。
NHKが全話保存している(=再放送可能な)最古の朝ドラだそうで、そのためか1980年代後半にも再放送されていて見た記憶があったし、原作も読んだし、2010年にはフジテレビでサザエさん生誕65周年としてアニメ化もされた。
懐かしさでちらりと見てみたら、やっぱりおもしろくて、録画して毎日見てしまっている(日曜にその週分を連続放送するが、それだと疲れるので1日1話で)。最近の朝ドラなどまったく見る気もしないので、久々の朝ドラ。
そんなわけで、来年3月までは毎日が長谷川町子ワールド。


【追記・その後の時間割について】
2022年5月8日放送の3話目、No.8415「止まらない磯野家(脚本 浪江裕史)」の最後のほうで、No.8322とほぼ同じアングルのシーンがあり、時間割表が判読できた。内容は、No.8322と完全に同一であった。
教卓の色合いが微妙に違っていたり、黒板ふきの左に黄色と白のチョークが1本ずつあるなど、前回とは異なる箇所もあり、No.8322の背景画像をそのまま使い回したのではなさそうではあった。
2022年10月2日放送の3話目、No.8463「カツオ、着目の秋(脚本 諸橋隼人)」の冒頭、教室中央から前方を見たシーン(これまでとは異なるアングル)で、時刻表が判読でき、これまでと同一。
2023年4月16日放送の1話目、No.8540「中島くんと交換作文(脚本 雪室俊一)」で、時間割表の4時間目から下が描かれ、変わりなし。
2024年9月22日放送の3話目、No.8795「走れカツオ(脚本 諸橋隼人)」で、2時間目から下が描かれ、変わりなし。

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13 コメント

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よく見つけましたね (FMEN)
2021-11-16 23:55:07
それわたしも見てましたが、そこまで気づくとは。
前日のドラえもんは日曜と間違えて登校が前日の流れから祝日に改変されてました。

クラブは仁井田は金曜の5時間目。
中学だと選択なんてのもありました。
家庭科が一時間とか調理実習とかどうフォローするのか気になりました。
当然仁井田は2時間。
土曜日の3時間目は「クラスタイム」というフリー枠でした。
他校は「○○小タイム」なんですが、仁小タイムは平日の2時間目と3時間目の長い休み時間に設定されていたためです。
教科や分野で先生が変わる中学や高校だと「ロングホームルーム」という時間になりましたあれ。
実質的な学活や遅れ取り戻し枠でした。
ただ、いつだかそこが無くて理科になっていた年があったような。
読は無く、書写がありました。
書写は担任が理系だと別の先生(教務や生活指導などの担任でないフロント)が入ったり。
道徳も教科書はあまり使わず学活や遅れ枠でした。

なんか秋田でやらない番組を後日放送してるような番組枠みたいな時間割が多かったです。
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ワカメちゃんクラスにも期待 (taic02)
2021-11-17 00:32:15
祝日間違いは、ここ数年のイレギュラーなカレンダーだと、実際に起こりえますね。

僕は小学校のクラブは木曜6時間目。
そういえば、土曜の1時間目にそんなタイムが入っていたような… たまのイベントは記憶がありますが、毎週毎週そうでもなかったはずで、何をしていたのか覚えがないです。
あと、3年生になった時、土曜日が4時間に増えたのですが、不評だったのか4年生以降は3時間に戻った現象がありました。

学級担任以外の担当は、4年生以上の音楽、ほかに理科と書写もそうだった年度がありました。クラスを持たない専科の先生や教務主任、あとは他クラスの担任が担当することもあり「中学校の教科担任制に慣れてもらうため」と説明されました。小学校は道徳の研究指定校になっており、しっかりやってました。

中学校は3年生で技術家庭と体育と音楽だったかその辺りから選択でした。別に正課クラブもあって。特活と学活と違いがよく分からないコマもあったような。
小学校では、遅れ回復に貴重な時間でも、中学校だとそれは難しく、使いみちに悩む先生もいたのかもしれません。
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コンバート制に水曜ローテ (FMEN)
2021-11-17 01:04:58
音楽は専科でしたね。
体育は担任でした。ちなみに、ちびまる子ちゃんでは戸川担任と怖い体育の専科が出てくる話がまちまちですね。
6年の時は担任が理科、隣の担任が社会なため隣のクラスの理科が担任、うちのクラスの社会が隣の担任なんていうコンバート式もありました。
なぜか自分は研究授業の対象に小学1年から大学の4年まで当たりやすく、この年も理科で市の主事とか理科教師がたくさん来ていた記憶が。

選択は体育、音楽、美術、技家をつきつめたカルチャー講座みたいな感じでした。
2年生は紙細工、3年生はクラシック鑑賞。
これは確か内申書の五段評価からは除外されていたはずです。
高校になると、担任の授業を受けないこともありますからなおさらホームルームの重みが増します。
(担任が日本史で世界史や地理だったら)
1年生だけは奇数土曜日が休みでないので、土曜日の1、2コマ目と3、4コマ目を水曜の午後にローテなんてありました。
一日に2回、数学1を受けなきゃならないのが大変で。
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複雑な運用 (taic02)
2021-11-17 23:09:32
ちびまる子ちゃんでは、音楽が専科の大石先生でしたね。
我々が5年の時は、1組担任が図工、3組担任が音楽、別に理科専科と音楽専科の先生もいて、単純なコンバートでない複雑な運用が組まれていたような。

中学校の選択は2年からあったんですね。僕は技術を選択して、ひたすら棚を作り続けただけでした。
部分的土曜休みだった頃は、その分の埋め合わせが大変だったでしょうね。その後、ハッピーマンデーも始まってさらに。
高校のホームルーム。担任は英語と数学だったので授業での印象が強かったのか、たまに球技をやったくらいしか記憶がないです。
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懐かしいです (あんなか)
2021-11-21 03:49:33
首都圏の私立では土曜も授業がある所が殆どでお金が有る無しの教育格差だという声も。
私が小学生の頃は5年生で月~金は6時間。
4年生からは理科の授業が専科の先生でした。
(この先生が面白い先生で私も影響を受けて火山に興味を持ったんですね)
5年生の時に2学期は40分授業で1と3学期は45分授業と変則的。
これも6年生になったらいきなり全て45分授業に。
仁井田に転校した友達は授業に付いていくのが大変だと言ってました。
(今思うと良く私、普通校に通えたなあと。親が障害を認めないのもありますがあんまり思い出したくないこともあります。)
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いつの時代も (taic02)
2021-11-21 22:27:13
学校5日制は、教員の休日確保が1つの大きな目的で始まったのだと思いますが、その点は後回しにされ続けている感がします。

授業時間のたった5分は、けっこう長く感じますよね。高校で65分授業が試行された時は、つらかった! それに5分×6時間だと、下校時刻が30分違うわけで、放課後の行動計画にも関わりますから。

先生も級友も、その中で経験することも、運というか出会いの縁次第ですが、振り返れば誰しも様々な感情が交錯するもの。
もし、1クラス10人くらいの小規模校に通っていたら…などとたまに想像してしまいます。
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仁井田 (FMEN)
2021-11-22 21:49:32
あんなかさんに補足。
仁井田は確かに1年から基本45分でした。
40分は給食ありで午後に学校の予定がある日や学期末に発動してました。
あと確か7、12、3月はその40分日が終わると終業式前3日程度は45分で給食無しの3時間になっていたような。
最後の給食日のうち、12月はケーキが出てました。
クリスマスイブの24日は終業式前の3時間なので。
3月のスイーツは卒業式前日。
ほかに、給食あるのに3時間という日が年に何回かありましたな。

そういえば、今は2期制だからこれも違うんですよね。
中央高校だけが2期制の時期だった時代を過ごした時は、6月と9月の昼の秋田駅は閑散としていて、反対に7月など3期のテスト時期は夕方の秋田駅ががらんとしていたり。
ただ、2期制はテストの後に学祭になるので他の普通科からかなりうらやまれたようです。
・2期→6月にテスト。そっから学祭
・3期→学祭後の7月にテスト。
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Unknown (Unknown)
2021-11-27 20:14:07
夏休み前、秋休み前、冬休み前だから早く終わるという時代ではなくなりました。

普通に、5時間で終わり、6時間で終わり、給食は普通にありというご時世です。

時間割も、月曜日の祝日が多いため、他の曜日に月曜日の時間割を適用する、というケースが多いですしね。

不思議な時代になったと思います。
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時代が変わり (taic02)
2021-11-28 00:18:14
休み前の早上がりはうれしいものでしたが、考えてみれば意図はよく分からないものかもしれません。保護者が留守の家庭では困るでしょうし。

時間が不足する科目と余った科目でのやり繰りは小学校では可能でしょうが、一斉に曜日を入れ換えたほうが簡単でしょうね。
ハッピーマンデーは広く定着したものの、学校現場では先生・子どもとも、ちょっと調子が狂う人もいそうです。
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Unknown (Unknown)
2021-11-28 21:22:42
> 一斉に曜日を入れ換えたほうが簡単でしょうね。

専科の先生や非常勤の先生がいると、質面倒になる気もします。
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