広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

元号をまたぐ工事看板

2019-05-05 00:41:09 | 秋田の季節・風景
昭和から平成の時とはまったく違う、令和への明るい改元。
2000年のミレニアムや2001年の21世紀突入の時と似た雰囲気だったかもしれない。ただ、それも騒ぐ人は騒いだけど、そうでない人は長いゴールデンウイークの1日といったところか。

改善初日の記念として、大きな郵便局では消印受付窓口を開設。【13日補足】秋田中央郵便局では30日と1日のそれぞれ午前中に実施したとのこと。
JRグループでは、きっぷの日付は西暦表記に変更済みだけど、それを知らずにJRの駅へ出向いてしまった人がいなかっただろうか。

今回は、社寺の御朱印が人気だったそうだ。御朱印自体は昔からあったが、ここ10年か5年ほどで、広く知られるようになり、集める人も増えたので。
御朱印は手書きだから、書く側ももらう側も大変だったようで、5月1日に「平成三十一年四月三十一日」とか「令和元年一月五日」と書いてしまったところもあったそうで…


秋田中央交通の路線バスの整理券。今はほぼ全車両が、日付が印字される感熱紙式(インク式が残っていた元三平バスでも、交換が進んでいる)。
気まぐれで西暦年下2桁表示の車もあるが、ほとんどが和暦表示。(うるう年の対応はどうなっているんだろう)
5月1日だけど
改元後、3台に乗ったが、いずれも「31」か「19」だった。問題ないけどね。【11月19日追記】その後「19」派が多かった印象だけど、11月には「1」になった車(平成31年以前からあった車)があった。和暦と西暦を統一するつもりはなさそう。
【7日追記】造幣局の硬貨の製造も、金型の製造に2~3か月かかるため、5月以降もしばらくは「平成31年」製造になるとのこと。整理券の表示変更はそれよりは容易にできそうだけど、急いでやるほどでもない。


元号・和暦をいちばん使う(=西暦をいちばん使わない)のは、お役所。例えば、
工事看板の工期
この写真の国土交通省発注の工事では、「平成32年」までになってしまっている。
工事は平成29年に始まっており、令和に決まる前から設置されているのだから、こうするしかなかったのでしょう。連休明けには「令和2年」と修正されるか?

このように改元をまたぐ工事の看板では、苦労が見受けられた。発注した役所側では「こう表示しろ」という指示はないようで、しかも1か月前に新元号が発表され余裕があるようなないような条件で、表示方法はまちまち。いくつかご紹介。
秋田市の区画整理。奥が手形陸橋、右の裏側が秋大、左側は広い更地
役所としては異例というかご法度に近い西暦「2019年」表示。
でも、修正不要だし、(役所内は知らないけど一般的感覚では)文句の付けられようはない。秋田市発注・別業者受注の別の工事でも、西暦表示の看板があった。
あと、「道路を広げる工事」というより「道路を新しく作る工事」のような気がします。


秋田県管轄の手形陸橋では、前年度からまたがって複数の工事が行われていて、看板も並んでいる(詳細後述)。
どちらも今年10月までの工事
左の看板は「平成31年」のままで、右は「令和元年」に重ね張りして修正している。
受注業者は別なので、修正するかどうかはそれぞれ。
【5月23日追記】連休明けには、左の看板も「令和元年」が(おそらく元の看板と同じ書体で)貼られた。


秋田市上下水道局の工事
これはちゃんと「令和」。
だけど…
工事期間
平成31年2月6日に始まった工事。その時点では「令和」は決まっていなかった。元号を修正した痕跡はない。
まさか4月に看板を全部作り直したとか、予知能力があったとかではないでしょう。看板の製作・設置が4月以降だったのか。


秋田市発注の道路工事(4月撮影。5月2日時点でも同じ状態)
「年9月20日まで」と、年が空白になっている。
「令和元」なり「2019」なり「平成31」なり入れないの?
近くで見ると…
「令和元」を白いテープで隠している!!
隠す必要があるのか? 隠した意図は?

工事看板から話がそれます。
今回の改元では、4月始まりである国の「平成31年度予算」は、「改元日以降は、当年度全体を通じて、「令和元年度」とし」との通達が出ているそうで、5月以降は4月までさかのぼって「令和元年度予算」と呼ぶ。逆に言えば、次の元号が「令和」と決まって明らかになっていても4月中は、「令和元年度予算」と呼ぶことができなかった。

運転免許証の有効期限も、全国共通で4月中に交付されたものは「2022年(平成34年)XX月XX日まで有効」と表示され、5月からやっと「2022年(令和04年)~」になる。

気象庁の予想天気図も、4月中に発表したものは「平成31年05月01日21時の予想」と表示されたそうで、森田正光気象予報士のツイッターによれば「気象庁は、平成のうちに出した情報は 「平成」表記にすると決めています」。

つまり、これらの国の機関(免許証も警察庁の意向だろうから)では、まだ平成であるうちは、近い将来に令和に変わることが確実であっても、「令和」を使ってはいけなかった。
これは今回の生前退位や新元号の事前発表は特例であって、前の天皇の在位中に次の天皇の元号を使うことは、本来あり得ないし、特例であってもやったらまずいという理由からだと思われる。

工事看板で「令和元」を隠したのも、受注業者がこの解釈を採用したのだろうか。
ただ、民間や秋田市を含む多くの地方自治体では、4月のうちから、5月以降のイベント告知や行事予定などで「令和元年」「令和元年度」を使っていた。他の工事看板でも見られるように。
たかが工事看板で、そこまで厳密に元号を運用しなくてもいいのではないでしょうか。
そこまでこだわるなら、5月1日に白テープをはがせばよかったのに!
【追記】しかし、連休明けの5月8日時点でも、白テープは貼られたまま。次の週末、5月12日までにはテープがはがされて「令和」が見えるようになった。


元号についてはここまで。以下、工事看板の元号以外の部分。
上で紹介した手形陸橋の工事看板群
新旧の橋が並ぶオーバーパスの手形陸橋。現在は、古いほうを通行止めにして念入りにリニューアル中。
上の写真右の工事看板「手形陸橋をあたらしくしています」が、橋自体の改修工事のようだ。
中央の「車道融雪工事を行っています」、左の「歩道部分の電熱式融雪装置の設置を行っております」は読んでそのままのようだけど、言い回し(詳しさ)が違う。
3つを並べて比較
中央と右はニュースタイルの角ゴシック体=おなじみ「新ゴ」。
左だけ丸ゴシック体で、「DF丸ゴシック体」シリーズだと思われる。格安フォントの部類になるかと思うが、けっこう見やすいし、やはり丸ゴシック体は柔らかい雰囲気がある。

前から指摘している「発注者」表記は相変わらず、ばらついている。
以前は「県」の文字がなく(秋田地域振興局から始まっていた)、素人には県発注工事であることが分かりづらい看板もあったが、この3つはいちおう「県」であることは伝わる。
記載されている電話番号は同じだから、県側は担当班まで同じなんだろう。だったら、看板にはこう書くことと、指示すればいいようにも思える。看板を丸太で囲む指示はするようだけど…(ささくれ=秋田弁?でスギバリ が刺さりそうでキライ)

ちなみに、秋田市の道路工事(建設部でも都市整備部でも)では、上各写真のように「秋田市長 穂積 志(以下、担当セクション名も)」が必ず表記されており、秋田市の工事であることが明確に伝わる。どうして秋田県庁ではそれができないのだろうか。
ただ、秋田市上下水道局発注の工事でも、以前は市長名だったかと思うが、上の写真の看板では「秋田市上下水道事業管理者」となっている。


最後に、秋田県を褒めたい。
下新城笠岡地区での圃場整備、田んぼをまとめる工事。秋田県によって工区を2つに分けて発注。
 
道路でなく農地の工事なんだから、部外者が通ることはまずなく(あぜ道の通行くらい)、さほど「ご迷惑をおかけ」していない気もするけれど、この手の工事でもこの看板が設置されるのか。
道路工事と同じ秋田地域振興局ながら「農林部」の担当。

どちらの工区も2020年1月31日までかかるが、「平成32年」と「令和2年」。フォントもDF丸ゴシックと新ゴ(手形陸橋とそっくりだから看板を作った業者の違いか?)。

それはいいとして、工事内容は「野菜も作れて作業しやすい大きな田んぼに整備しています」とある。言い回しが非常に分かりやすくてよろしい!
しかも、「農地集積加速化基盤整備事業」と言うらしいが、おそらくその内容を余すところなくかみくだいて、説明してくれている。表面的な言い換えや余計な丁寧語など用いず【5日補足・例えば「水田を大きくしております」等】、本質を突きながらも小学生にも伝わるであろう。
今まで接した「○○を××しています」看板の中で、ベスト!(過去のコレクション
別発注でも、一言一句同じ言い回しということは、県側が作って指示したのだろうか。だったら、それを建設部でも、発注者の表記部分でもやってほしい。

惜しむらくは、「秋田県」が抜けていること。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10連休とNHK | トップ | 牛島~卸町の道 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿