前の記事からの続編で、弘前市りんご公園を取り上げますが、今度は「動植物」カテゴリーにします。
品種あれこれ
園内には65品種1200本のリンゴが植えられているという。
ふじ・黄色の王林など来園者の収穫体験用に何十本もある品種もあるが、見本として1~数本だけ植えられている品種もある。
おなじみの「ふじ」。あと半月ほどで収穫。
絞り優先 F/5.6 1/400 露出-0.3
「陸奥(むつ)」。そろそろ収穫。
絞り優先 F/5.6 1/640 露出-0.3
かつての主力品種、今は製菓用として人気の「紅玉」。
プログラムオート F/7.1 1/160 露出+0.3 トリミング その名の通りルビーのような色。ふじや陸奥よりは小さめ。
ほかにも珍しい品種・懐かしい品種も多い。
「弘前在住の年配の女性が県外から来た親戚の男子大学生を案内している」といった感じの人たちがいたが、大きな実をつけた「世界一」の前で、
女性「珍しいねえ。“世界一”。」
男性「大きいですね。これは“世界一”っていう名前(品種名)のリンゴなんですか?」
という会話をしていた。もはや世界一も過去の品種なのだろうが、リンゴのいろいろな品種を後世に残すこともこの公園の大きな意義だ。
ちなみに売店で世界一を売っていた。(普通の品種よりかなり高かった)
拾ってはいけません
園内の所々でリンゴが地面に落ちていて、「落ちたりんごは拾わないでください」という日本語・中国語・ハングル(10月20日追記・英語も併記)併記の看板が立っている。
これを見て、「なぜ拾っちゃいけないの?」「どうしてだろうね」と会話をする親子、「拾わせてくれたっていいのに」と言う家族連れがいた。
なぜかというと、弘前市がケチなのではなく、落ちた果実に土から菌が感染し、果実を早く腐らせることがある(リンゴ疫病)。落ちた果実に触った手に菌が付いて、手を介して木になっているリンゴにまで感染してしまうのを防いでいるためなのだと思う。農家では収穫作業中に誤って落とした果実でさえ、他の果実と分けて扱っているはず(加工用にするのかな)。
こういう理由も看板で周知すれば、来園者の謎も解け、リンゴへの理解もさらに深まると思うのだが。
落ちるリンゴ
世界一の隣の木の下には数個のリンゴが落ちていた。
真っ赤な着色、逆三角形で日本のリンゴと違う。
プログラムオート F/6.3 1/125 露出-0.3
この品種は「フラワー・オブ・ケント」。通称「ニュートンのリンゴ」。アイザック・ニュートンがこの木から落ちる果実を見て、万有引力に気づいたという伝説(?)の元になったリンゴ。他の品種よりも、自然に落果しやすいそうだ。
リンゴの旭はアップルのマック
「りんごの家」という建物では、りんごソフトクリームがある軽食コーナー、リンゴのお菓子やジュース、リンゴをモチーフにした工芸品やグッズが一堂に会した販売コーナーとともに、体験コーナーには、リンゴに関する資料があり、いくつかの品種の果実がケース内に展示されている。
「旭(あさひ)」という品種。
プログラムオート F/5 1/60 露出+0.7
色付き方は普通の日本のリンゴのようだが、形はまん丸に近い。
説明文には「(交配親は)不明 カナダでJohn McIntosh氏によって発見された。別名マッキントッシュ」とある。この品種はなんと、アップル社のコンピュータ「Macintosh」の開発者の1人ジェフ・ラスキン氏が好きで、その製品名の由来となった品種なのだ!(aを足したのは同名のオーディオメーカーとの区別のためといわれている)
補足すると、1870年にオンタリオ州アラン・マッキントッシュ農園で偶然発見された品種(昔は、今のように意識して掛け合わせて新品種を作るよりも自然に任せていたので、古い品種はこういう“偶発実生”が多い)。白く緻密な果肉、甘さと酸味の調和の取れた、独特の芳香のある早生品種で、欧米では今でも多く生産されるらしい。
日本では明治時代に他の品種同様、欧米から輸入され栽培され始めた。当時は、英語の品種名とは別に日本語の品種名を付けていて(アメリカの「Jonathan」を「紅玉」など)、カナダの「McIntosh」は「旭」になった。残念ながら、日本の気候に合わず(津軽でも気温が高すぎるらしい)、日持ちが悪いこともあって、現在は北海道でわずかに栽培されているだけだそうだ。
りんご公園内には、ニュートンのリンゴや世界一の並びに1本「旭」があって、数年前は花が咲いていたので行ってみると、枯れてしまったのだろう、高さ1メートルもない小さな木に植え替えられていた。来春花が咲くかどうかという大きさ。
今年、久しぶりに「つがる」を食べた。食べ慣れた「ふじ」よりも酸味が強く、さわやかで、「こういう味のリンゴもいいな」と思った。
「旭」も酸味があるようだし、コンピュータ史に残るリンゴ、独特の芳香などと聞けば、食べてみたい。楽天で検索したら、扱っている店はあったが完売とのこと(5キロ・15~20玉で3000円位と結構いいお値段)。店のページにはマッキントッシュの名前はなかったが、「部屋に置いておけば、部屋中に芳香が漂う」「皮は干してアップルティーに」なんてことも書いてあって興味をそそられる。
品種あれこれ
園内には65品種1200本のリンゴが植えられているという。
ふじ・黄色の王林など来園者の収穫体験用に何十本もある品種もあるが、見本として1~数本だけ植えられている品種もある。

絞り優先 F/5.6 1/400 露出-0.3

絞り優先 F/5.6 1/640 露出-0.3

プログラムオート F/7.1 1/160 露出+0.3 トリミング その名の通りルビーのような色。ふじや陸奥よりは小さめ。
ほかにも珍しい品種・懐かしい品種も多い。
「弘前在住の年配の女性が県外から来た親戚の男子大学生を案内している」といった感じの人たちがいたが、大きな実をつけた「世界一」の前で、
女性「珍しいねえ。“世界一”。」
男性「大きいですね。これは“世界一”っていう名前(品種名)のリンゴなんですか?」
という会話をしていた。もはや世界一も過去の品種なのだろうが、リンゴのいろいろな品種を後世に残すこともこの公園の大きな意義だ。
ちなみに売店で世界一を売っていた。(普通の品種よりかなり高かった)
拾ってはいけません
園内の所々でリンゴが地面に落ちていて、「落ちたりんごは拾わないでください」という日本語・中国語・ハングル(10月20日追記・英語も併記)併記の看板が立っている。
これを見て、「なぜ拾っちゃいけないの?」「どうしてだろうね」と会話をする親子、「拾わせてくれたっていいのに」と言う家族連れがいた。
なぜかというと、弘前市がケチなのではなく、落ちた果実に土から菌が感染し、果実を早く腐らせることがある(リンゴ疫病)。落ちた果実に触った手に菌が付いて、手を介して木になっているリンゴにまで感染してしまうのを防いでいるためなのだと思う。農家では収穫作業中に誤って落とした果実でさえ、他の果実と分けて扱っているはず(加工用にするのかな)。
こういう理由も看板で周知すれば、来園者の謎も解け、リンゴへの理解もさらに深まると思うのだが。
落ちるリンゴ
世界一の隣の木の下には数個のリンゴが落ちていた。

プログラムオート F/6.3 1/125 露出-0.3
この品種は「フラワー・オブ・ケント」。通称「ニュートンのリンゴ」。アイザック・ニュートンがこの木から落ちる果実を見て、万有引力に気づいたという伝説(?)の元になったリンゴ。他の品種よりも、自然に落果しやすいそうだ。
リンゴの旭はアップルのマック
「りんごの家」という建物では、りんごソフトクリームがある軽食コーナー、リンゴのお菓子やジュース、リンゴをモチーフにした工芸品やグッズが一堂に会した販売コーナーとともに、体験コーナーには、リンゴに関する資料があり、いくつかの品種の果実がケース内に展示されている。

プログラムオート F/5 1/60 露出+0.7
色付き方は普通の日本のリンゴのようだが、形はまん丸に近い。
説明文には「(交配親は)不明 カナダでJohn McIntosh氏によって発見された。別名マッキントッシュ」とある。この品種はなんと、アップル社のコンピュータ「Macintosh」の開発者の1人ジェフ・ラスキン氏が好きで、その製品名の由来となった品種なのだ!(aを足したのは同名のオーディオメーカーとの区別のためといわれている)
補足すると、1870年にオンタリオ州アラン・マッキントッシュ農園で偶然発見された品種(昔は、今のように意識して掛け合わせて新品種を作るよりも自然に任せていたので、古い品種はこういう“偶発実生”が多い)。白く緻密な果肉、甘さと酸味の調和の取れた、独特の芳香のある早生品種で、欧米では今でも多く生産されるらしい。
日本では明治時代に他の品種同様、欧米から輸入され栽培され始めた。当時は、英語の品種名とは別に日本語の品種名を付けていて(アメリカの「Jonathan」を「紅玉」など)、カナダの「McIntosh」は「旭」になった。残念ながら、日本の気候に合わず(津軽でも気温が高すぎるらしい)、日持ちが悪いこともあって、現在は北海道でわずかに栽培されているだけだそうだ。
りんご公園内には、ニュートンのリンゴや世界一の並びに1本「旭」があって、数年前は花が咲いていたので行ってみると、枯れてしまったのだろう、高さ1メートルもない小さな木に植え替えられていた。来春花が咲くかどうかという大きさ。
今年、久しぶりに「つがる」を食べた。食べ慣れた「ふじ」よりも酸味が強く、さわやかで、「こういう味のリンゴもいいな」と思った。
「旭」も酸味があるようだし、コンピュータ史に残るリンゴ、独特の芳香などと聞けば、食べてみたい。楽天で検索したら、扱っている店はあったが完売とのこと(5キロ・15~20玉で3000円位と結構いいお値段)。店のページにはマッキントッシュの名前はなかったが、「部屋に置いておけば、部屋中に芳香が漂う」「皮は干してアップルティーに」なんてことも書いてあって興味をそそられる。