不安の根本をつきとめるための旅も続いていた。
1 心理学
まずは正統的なアプローチ。心理学の本を読む。
心の悩みを解決できるような回答、実際に使えるようなノウハウはなかった。
書籍が退屈だった一方、大学の心理学、哲学の授業は、面白かった。
人間の心理について、新たな視点から学ぶことができたからだ。
心から先生の主張に賛同できた授業もあれば、そうでないものもあった。
ある教育心理学の授業のこと。ぼくの見解は先生とは180度異なっていた。
先生は、児童の可能性を100%信じることが教育の成果をあげる最も大切な要素であると主張した。人間への信頼である。本来、人間は優秀であるという視点である。
ぼくはこの視点に真っ向から反対した。人間は愚かな生き物である。これまでの戦争、虐殺、人種差別。未だに世界各国で起きている地域紛争。人と人とが殺しあうという基本的なことさえ止められない。各人の心の中が世界へ反映されている。
人は間違いを犯すが、改善していけるのは一部の人間である。大多数は真の革命から目をそらす。
人は本当に「かのこい」のか。
それなら、なぜ、あれほどまでに食べ過ぎのための胃腸薬が売れるのだろうか。
このような感じで、試験の論文を記述した。
さて成績は。
落第はしなかったが、最低評価の「C」であった。
2 加藤諦三氏の著書
加藤諦三氏の著書を数多く読んだ時期もある。
有名大学の合格失敗に、強い劣等感を感じていた。
同氏の主張はこうだったように記憶している。人間関係の基礎は家族関係から始まる。家族関係が不安感、劣等感に影響している。
とても論理的な分析で、心から納得した。でも、根本は解決しない。
よくうつ感、不安感、やるせなさは続いた。
3 世界的ベストセラー
カーネギーの「人を動かす」、「道は開ける」を読んだ。
聖書の次に売れている本である。目からうろこが落ちた。
生き方の新しい心構え、人間関係について、心の中で革命が起きたような気がした。
多くの人に、この書籍をすすめた。教育実習では、小学6年生の子どもたちにまですすめた。それだけ感動した。三冊ずつ購入して、本棚に飾った。
数週間が経過した。現実世界は変わらなかった。
恐怖もそのまま。
なぜだろうか。
実践していなかったからだ。
それともう一つ。
実は、この本を、最近読み返している。今は、自分の経験に照らし合わせながら、理解することができる。
大学生のときに2度くらい読んだ。それから、20年。
今、新鮮な発見がある。
「今まで、この本を知っていたのに、自分は何をやっていたのだろう」
後悔のようなものがある。
人間関係はグッと良くなる。不安感も軽減する。でも、ぼくにはわかっている。この心の奥底のむなしさは消え去ることがないことを。
4 自己啓発本
ある時期熱中していたのは、自己啓発本だ。
「いかにして自分の夢を実現するか」(ロバートシュラー)
などを読んでいると、どんどん勇気が出てきた。
出てくるのだが、すぐに挫折。
人生は変わらなかった。
中村天風の著書にも感銘を受けた。
一般書店、天風会から何冊もの書籍が刊行されていた。次から次に読んだ。
最もよかったのは、「ヨーガに生きる」である。
インドのカリアッパ先生との出会いから、山奥での修行について、物語のように書かれている。これは実話だ。
中村先生の修行にあこがれた。自分も悟りをひらきたいと心から思った。
この頃、ぼくは全てを捨てて、インドへ修行に行きたいと思っていた。
ある日、本当にインド行の切符を買いに、HISの窓口に行った。
販売されているチケットのスケジュールを聞く。希望していた出国日のチケットは販売されていなかった。だから買わなかった。
もし、希望日出国の航空券があれば、違う人生を送っていたかもしれない。
なぜ、日本に帰らないのに、出国希望日があったのだろう…
クンバハカなどについて、わかったつもりになっていた。
やっても効果がないと思っていた。
約4年前、天風会の研修を受けた。
ぼくは何もわかっていなかった。何も実践できていなかった。
人から、直接学ぶことの大切さを知った。
死に直面して、何でもやった時期である。だから天風会の研修も受講した。他にいろいろなことをしながら、何とか回復した。
飽きやすいのか、根気がないのかわからないが、天風会の修練も、数回出席しただけで、その後はごぶさたしてしまっている。
1 心理学
まずは正統的なアプローチ。心理学の本を読む。
心の悩みを解決できるような回答、実際に使えるようなノウハウはなかった。
書籍が退屈だった一方、大学の心理学、哲学の授業は、面白かった。
人間の心理について、新たな視点から学ぶことができたからだ。
心から先生の主張に賛同できた授業もあれば、そうでないものもあった。
ある教育心理学の授業のこと。ぼくの見解は先生とは180度異なっていた。
先生は、児童の可能性を100%信じることが教育の成果をあげる最も大切な要素であると主張した。人間への信頼である。本来、人間は優秀であるという視点である。
ぼくはこの視点に真っ向から反対した。人間は愚かな生き物である。これまでの戦争、虐殺、人種差別。未だに世界各国で起きている地域紛争。人と人とが殺しあうという基本的なことさえ止められない。各人の心の中が世界へ反映されている。
人は間違いを犯すが、改善していけるのは一部の人間である。大多数は真の革命から目をそらす。
人は本当に「かのこい」のか。
それなら、なぜ、あれほどまでに食べ過ぎのための胃腸薬が売れるのだろうか。
このような感じで、試験の論文を記述した。
さて成績は。
落第はしなかったが、最低評価の「C」であった。
2 加藤諦三氏の著書
加藤諦三氏の著書を数多く読んだ時期もある。
有名大学の合格失敗に、強い劣等感を感じていた。
同氏の主張はこうだったように記憶している。人間関係の基礎は家族関係から始まる。家族関係が不安感、劣等感に影響している。
とても論理的な分析で、心から納得した。でも、根本は解決しない。
よくうつ感、不安感、やるせなさは続いた。
3 世界的ベストセラー
カーネギーの「人を動かす」、「道は開ける」を読んだ。
聖書の次に売れている本である。目からうろこが落ちた。
生き方の新しい心構え、人間関係について、心の中で革命が起きたような気がした。
多くの人に、この書籍をすすめた。教育実習では、小学6年生の子どもたちにまですすめた。それだけ感動した。三冊ずつ購入して、本棚に飾った。
数週間が経過した。現実世界は変わらなかった。
恐怖もそのまま。
なぜだろうか。
実践していなかったからだ。
それともう一つ。
実は、この本を、最近読み返している。今は、自分の経験に照らし合わせながら、理解することができる。
大学生のときに2度くらい読んだ。それから、20年。
今、新鮮な発見がある。
「今まで、この本を知っていたのに、自分は何をやっていたのだろう」
後悔のようなものがある。
人間関係はグッと良くなる。不安感も軽減する。でも、ぼくにはわかっている。この心の奥底のむなしさは消え去ることがないことを。
4 自己啓発本
ある時期熱中していたのは、自己啓発本だ。
「いかにして自分の夢を実現するか」(ロバートシュラー)
などを読んでいると、どんどん勇気が出てきた。
出てくるのだが、すぐに挫折。
人生は変わらなかった。
中村天風の著書にも感銘を受けた。
一般書店、天風会から何冊もの書籍が刊行されていた。次から次に読んだ。
最もよかったのは、「ヨーガに生きる」である。
インドのカリアッパ先生との出会いから、山奥での修行について、物語のように書かれている。これは実話だ。
中村先生の修行にあこがれた。自分も悟りをひらきたいと心から思った。
この頃、ぼくは全てを捨てて、インドへ修行に行きたいと思っていた。
ある日、本当にインド行の切符を買いに、HISの窓口に行った。
販売されているチケットのスケジュールを聞く。希望していた出国日のチケットは販売されていなかった。だから買わなかった。
もし、希望日出国の航空券があれば、違う人生を送っていたかもしれない。
なぜ、日本に帰らないのに、出国希望日があったのだろう…
クンバハカなどについて、わかったつもりになっていた。
やっても効果がないと思っていた。
約4年前、天風会の研修を受けた。
ぼくは何もわかっていなかった。何も実践できていなかった。
人から、直接学ぶことの大切さを知った。
死に直面して、何でもやった時期である。だから天風会の研修も受講した。他にいろいろなことをしながら、何とか回復した。
飽きやすいのか、根気がないのかわからないが、天風会の修練も、数回出席しただけで、その後はごぶさたしてしまっている。