Sketch of the Day

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工場立地法の緑地規定緩和に思う

2007-01-16 | Japan
経産省は工場立地法の緑地規定を大幅に緩和する方針を固めた。現行では敷地内に20%以上の緑地設置が義務づけられているが、この規定が工場拡充や建て替えを阻害しているとの認識による。場合によっては緑地ゼロ工場も可能になるとのことで、近年の経済界寄りの施策には呆れるばかりである。私はなんでもかんでも緑化という姿勢には必ずしも賛同するものではないが、それでも緑地・緑化施策というものが規制緩和の対象とはなり得ても規制強化されることがまずもってほとんどないという状況はあまりに不自然だと思う。また、ムチをふるうだけで、緑化する工場に対してインセンティブや優遇措置ーアメーを考慮してこなかったこともこうした事態に至った一つの原因ではないか。

何故我々は緑化することで企業イメージが向上したり、長期的には経済に跳ね返ってくる、という視点を持ち得ないのであろうか。。。仮にも先進国と呼ばれる国で、ここまで「経済」に甘い国というのを私は知らない。あのアメリカだってミティゲーションが法制化されているではないか。環境の時代に、緩和すべき対象を全く見誤っていると言わざるを得ない。産業の不振を「緑」のせいにすべきではない。産業の活性化は別の方法でできるはずだし、そうすべきである。いや、それどころか逆に「緑」は産業の活性化に役立てるべきもの、という認識を我々は持つべきなのである。。日本経済の「レベル」を垣間見たような気がした。

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2 コメント

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Unknown (よねさん)
2007-01-23 20:57:38
はじめまして。少し前から、覗かさせていただいています。
以前、ゼネコンに勤めていたときに、この20%緑地には何回か苦労させられました。
埋立地などの広大な敷地で、2割の緑地をとりつつ建物を配置して、構内道路、駐車場を取り…、ということで緑地の配置が結構重要となっていました。
もっとも、どうしても外周部におざなりに配置してお茶を濁していた感は否めませんが。

それでも、広大な敷地での2割の緑地というのは、実際に見ると結構なボリュームですよね。工場地帯という殺風景さを十分に補うに足る量ではないかと感じていました。また、経営者が「ふざけんな」と思いつつも、渋々了承するぎりぎりの線ではないかとも。

その20%を無きものするとは、本当に由々しき問題だと感じます。仮にもこの数字を決めたときには、それなりの理想を描きつつ官僚(?)が定めた経緯があるだろうに、それを途中で「やっぱやめた」とは、本当に幼稚な国だと感じます。

嘆くばかりでは、何も変わらないのだけれども、それでも嘆かずには居られません。
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Unknown (スコどの)
2007-01-26 00:33:04
コメントどうもありがとうございます。
緩和の理由の一つとして、「緑化せずとも今や技術的に環境配慮が可能になった」旨述べられていますが、これはつまるところ工場の緑というものが視覚的対象として認められていないことの表れですね。また、緑の機能が他の技術によって代替可能であれば緑そのものはべつになくともよい、という考えにもつながります。

それはともかく、例えばイギリスやドイツくらい規制の厳しい計画制度を誇る国々が、都市計画が経済活動を阻害しているとの認識から(実際イギリスでは近年このような認識がなされている)、規制緩和に踏み切るのならはなしはわかります。しかるに日本のように、あってないような都市計画、その他の土地利用規制をして経済を阻害しているなんて考えるのは愚の骨頂です。
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