Sketch of the Day

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英国旅行日誌 2004/08/25(WED)

2004-09-06 | Great Britain
2年ぶりの英国旅行は出張というかたちで実現することになった。今回もたっての希望もあり妻子を同伴した。初日は、自宅を自家用車で出発し、空港近くの民間有料駐車場に駐車、送迎バスで成田空港というアプローチ。インチョン(韓国ソウル)経由のロンドン行き(大韓航空)で、ロンドンでブリティッシュ・ミッドランズ機に乗り換えてその日のうちにエディンバラまで、という旅程だ。成田空港で朝食。

インチョン空港で、腕を組んで歩く韓国人婦女子を多数目撃。何度見てもなかなか慣れない光景だが、こいつを見るとああ韓国に来たんだなといつも思う。韓国では婦女子に限らず、成人男子でも街中で仲良く腕を組んだり肩を組んだりして歩く人たちが多いが、べつにホモセクシャルやレズビアンということではない(念のため)。おお、あるじゃないか、ヨン様(の広告)*1。

シベリア上空通過。ツンドラの広大な樹林帯の中をゆるやかなうねりをみせる大河の流れ。機内のモニターに映し出される飛行機の航行軌跡が頼りない線形を描きつつ確実にグレートブリテン島に近づいている。ロンドン上空。ハイドパーク、セント・ジェームスパーク、グリーンパークの広大な緑塊とテムズの流れが視界に飛び込んできた。ヒースローに迂回するために一度郊外に出る。それにしてもこの、大地への作為の痕跡はどうだ。スプロールといえど作為に満ち満ちている。スプロールの拡がりそのものは無秩序だが、実体化された空間は実にコスモスそのものではないか。律儀だ。

ランディングしたヒースローで最初に目にしたのは、ポケモンのキャラクターを機体にペイントしたANAのBoing 747だった。のっけから、悪いものを見てしまった。気分を害された。ポケモンはいまやインターナショナルだが、いずれも渋いデザインの機体に混じってのポケモン機の光景は異色そものものである(少なくとも僕にとっては)。パブリックな空間にああいった「絵」を晒すのは、応接間にグラフィティを飾るようで、僕の好みじゃない。だから、村上隆も嫌いである(正確には、嫌いになった)。

ヒースローの乗り換えは4時間弱の待ち時間(の予定)であったが、実際にはなんと6時間以上も待たされた。その間、空港側からはエディンバラからロンドンにやってくる便が遅れているという旨の報告と、出発直前に「遅れてすまん」というアナウンスがあっただけ。にもかかわらず、みんな(最終便だったので待合いの客ほとんど英国人だったはずである)文句一ついわずだまって新聞やペーパーバックを読んだり、ベンチに寝そべったり、思い思いに時間をつぶしている。あきれた粘り強さである*2。

我々は、エディンバラ空港のHertzでレンタカーを借りる予定だったので気が気じゃなかった。営業時間は午後11時までと言われていたからだ。店を閉められちゃかなわないので、ヒースローから電話を入れ、飛行機の出発が遅れエディンバラ到着が11時過ぎになることを伝えた。久しぶりの英語も何とか通じたらしく、「便名は? 待っててやるから心配するな」という答えを聞いて一安心。続いて、今日泊まる予定になっているB&Bにも、到着が午前0時を過ぎることを報告。こちらも問題ない由。ただし、「空港からまっすぐホテルに来るのか(飯はすませたか)?」と釘を刺された。答えはむろんYESである。

エディンバラ空港到着は結局午後11時30分、レンタカーを借り、荷物を詰め込み、一路中心街に向けて出発。2年前の在英中何度か往復したことのある道だっただけに、懐かしさがこみ上げてくる。2年ぶりのエディンバラは何も、本当に何も変わっていなかった。夜だったがそのことはよくわかった。妻がインターネットで予約してあったB&Bは、2年前に我々が住んでいたブロックのすぐ近く。B&Bに駐車場がないことははじめからわかっていたが、近所の路上に無料駐車できることもわかっていたのでそれをあてにしていた。ただ、夜遅くなってしまったので駐車スペースがなくなってしまってないかが心配であった。幸い、ホテル近くのヒルサイド・クレッセント(Hillside Crescent)に空きスペースを見つけ事なきを得た。宿の主(インド系)は0時30分に到着した我々を温かく迎えてくれた。

*1  今回の旅行のためにヨン様のビデオ(SONY)を購入してしまった。
*2 このネガティブな印象はまだ日本の感覚から吹っ切れていない心情のなせるわざで、やがて旅行が進むにつれて「俺もこうでなくっちゃな」という感慨に変わることになる。

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