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ここしばらくシューベルトのピアノソナタを聴き込んでいた。しかしそればっかりだとさすがに飽きてくる。で、ベートーヴェンがまた聴きたくなる。もちろんベートーヴェンだけだとそれはそれでまた飽きてくるのだが、ボクの場合、いろいろな作曲家の作品に赴いても、戻ってくるのは必ずベートーヴェン。いわばベートーヴェンをベースキャンプにして、方々の嶺々にアタックをかけるのだ。「縦走的」に渉猟するというような聴き方をボクはあまり好まない。
そんな大事なベースキャンプの専属シェフをどなたにお願いしているかといえば、ほかならぬエミール・ギレリスである(ピアノソロの場合。ピアノコンチェルトだとフリードリッヒ・グルダだな)。ちなみに、そのまえはぜんぜんタイプが違うけれど、ヴィルヘルム・ケンプですた(←いまでもけっこう好きだったりする)。反対に、頼まれてもお断りなのがポリーニ! いやそんなことはどうでもよい。問題はギレリスである。
ギレリスのベートーヴェンといえば、ニ短調(テンペスト)と変ロ長調(ハンマークラヴィーア)のソナタが個人的ベスト。前者のアレグレットを聴いてみよ。イデアなんぞを超越した音楽の構築美がそこにはある。後者のアダージョに耳をすませてみよ。時間と空間を無化する音楽の圧倒的な強度がそこにはある。
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