Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

カラヤンのブルックナーなど

2007-06-25 | Media
吉松 隆『夢見るクラシック交響曲入門』ちくまプリマー新書、2006
この本を読むことでクラシックとロック(あるいはポップ・ミュージック)を繋げて(実際に繋がっていることを)理解できるようになった。大きな収穫。

岡田暁生『西洋音楽史-「クラシック」の黄昏』中公新書、2005
お勉強にはもってこい。クラシック好きがその歴史を手軽に俯瞰するにはもってこいの書物。

中川右介『カラヤンとフルトヴェングラー』幻冬舎新書、2007
「頂点」に上りつめるには「才能」だけではダメである。いやむしろ才能が邪魔することのほうが多いのかもしれない。才能だけで勝負しようとしない輩が世の中には溢れているからである。そういうことがイヤというほどわかる本。それにしても、「ベルリン・フィルを振る」という欲望の根源が、マエストロ達の純粋な芸術的実践の追求にあったのか、あるいは地位や権力、その結果としてのビジネス的成功にあったのか、そのことは最後までわからずじまいである。おそらく両方なのであろう。芸術(家)と政治(とくにナチス)との関係という視点からも面白く読める書物。

山本雅之『農ある暮らしで地域再生-アグリ・ルネッサンス-』学芸出版社、2005

カラヤン+BPOによるブルックナー「交響曲 第4番 変ホ長調 ロマンティック(ハース版)」(1970,EMI)
いい。カラヤンのブルックナーというのは大方の批評家筋にも一定の評価を得ていると思うが、僕の知る限り、クラシック通になればなるほど、カラヤンの音楽に対して否定的な態度をとる向きが多いようだ。音楽を「感じる」のに理論は不要だと思うが、音楽を「理解」しようとすれば理論は必要になる。僕は素人なのでべつに音楽を「理解」する必要はない。僕にとってカラヤンの音楽というのは、「感じる」ぶんには、じつに心地よく響いてくる。そして、たいそう格好よい。大好きな音楽である。

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