Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

Re-reading "Zwischenstadt"

2007-12-28 | Media
『都市田園計画の展望:「間にある都市」の思想』 再読
(トマス・ジーハーツ=著,蓑原敬=監訳,学芸出版社,2006)

第4章 デザインの焦点となる「間にある都市」 リーディングノート

パラ美学
・美学によって定義される領域の中には止まり得ない美学。美学の境界や限界を着実に押し広げてゆくことに役立つ美学。
・美しいものの反対、美的ではないもの、を認識する美学。
・美の伝統主義者によっては決して理解できないことの理解。
・直接体験による知覚の限界に注意を集め、それを超えること。

「間にある都市」の把握
・「形」の世界を通じた知覚ではなく、「生活」の痕跡を知覚し、解釈することで、外部から持ち込まれた独断的な美の基準を相対化できる。
・小さいスケールの中で成立している生活の痕跡に敏感に反応することで、「間にある都市」のイメージが豊かな雰囲気で満たされる。
・「古典的な」秩序や親近感が持てる「調和」と、無秩序の美学との間の不安定なバランスをどう保つかが問われている。
・美的なものを非美的なものに「譲り渡して」しまうことは、当節流行の無政府的な無秩序の礼賛と同様に、細心の注意を要する問題である。これはデザイナーやプランナーが取り組むべき課題である。

イメージによって達成できること
・不可視の諸要素へのアクセス、体験。
・「文化的な読み込み」を通じた非美的要素から美的要素への転換。
・肯定的な出来事とのリンクによる否定的要素の新しい解釈。
・諸要素の結合による展望と経験の連鎖→広域圏スーパー記号への転化。
・情報キャンペーンによる広域圏の発見。

意味の欠落した土地の「再コード化」
・エコロジーを指向するオープンスペースの計画と、社会性を指向する、文化・スポーツをともなった都市開発の統合。
・廃墟や破壊されてしまっている風景の再解釈。
・(自然と文化の重要な中間段階としての)休閑地の、エコロジー的行為、芸術的行為の占領。
・従来の規範に照らして非美的なるものの「文化的占拠」による美的なるものへの転換。