壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

茸狩

2011年09月19日 00時31分43秒 | Weblog
        茸狩やあぶないことに夕時雨     芭 蕉

 「あぶないことに」などという口語的な発想が即興的にとりいれられている。画の図柄によっては、画賛としてかなりおもしろみが出せる句であろう。

 「あぶないことに」は、「すんでのことで」といった意。

 季語は「茸狩(たけがり)」で秋。「時雨」は冬であるが、時折、降り過ぎる点が主に働いていて、それが茸狩帰りの一場面として生かされている。

    「茸狩を終えて帰ると、まるで待っていたかのように夕べの時雨が走りすぎた。
     ぐずぐずしているとすんでのことに、この時雨に濡れてしまうところだった」


      まだ生きてをるぞ底紅白むくげ     季 己