時鳥鰹を染めにけりけらし 芭 蕉
時鳥(ほととぎす)は俗に、八千八声鳴いて血を吐くと言い慣わしており、それを契機とした句に、「岩躑躅染むる泪(なみだ)やほととぎす」という句が寛文期にあった。山口素堂の、「目には青葉山ほととぎす初鰹」という句もあるように、時鳥と鰹とは、初夏の風物として密接な関係にある。
「染めにけりけらし」は、「染めにけり」と言って、もう一度、推量する意味の「染めにけらし」を「けらし」だけであらわしたものと思う。
季語は「時鳥」で夏。「鰹」も夏だが、表現上、時鳥に重点が置かれている。
「鰹を切ると、その身の色は血のように赤い。これは鳴いて血を吐く
という時鳥が血で染めたものである。多分そうらしいよ」
自愛せよとハガキ絵 野分そるるかな 季 己
時鳥(ほととぎす)は俗に、八千八声鳴いて血を吐くと言い慣わしており、それを契機とした句に、「岩躑躅染むる泪(なみだ)やほととぎす」という句が寛文期にあった。山口素堂の、「目には青葉山ほととぎす初鰹」という句もあるように、時鳥と鰹とは、初夏の風物として密接な関係にある。
「染めにけりけらし」は、「染めにけり」と言って、もう一度、推量する意味の「染めにけらし」を「けらし」だけであらわしたものと思う。
季語は「時鳥」で夏。「鰹」も夏だが、表現上、時鳥に重点が置かれている。
「鰹を切ると、その身の色は血のように赤い。これは鳴いて血を吐く
という時鳥が血で染めたものである。多分そうらしいよ」
自愛せよとハガキ絵 野分そるるかな 季 己