さざ波や風の薫の相拍子 芭 蕉
『笈日記』に、「去年(こぞ・元禄七年)の夏、又此のほとり(注 膳所)に遊吟して、遊刀亭にあそぶとて」と支考の前書を付し、「納涼二句」として掲出。
「さざ波や」は、大津、志賀、長等、比良など湖南地方の地名に冠して、枕詞のように用いられることばである。
「相拍子」は、相の手を入れること。
「遊(正しくは辶ではなく氵)刀(ゆうとう)」は、近江膳所(ぜぜ)の人で、垂葉堂と号し、能太夫であったという。
主の遊刀が能太夫であるところから、「相拍子」というような能の用語を用い、主への挨拶としたもの。軽やかな調子を生かした、即興の軽い味のものである。
季語は、「風の薫」が「風薫る」・「薫風」を意味し、夏季。
「琵琶湖のさざなみが、規則正しく波音を立てて寄せているが、折からの
薫風がこれとよく調子があって、あたかも相拍子を入れているようで、
涼しく爽やかな感じである」
夏盛んモネの睡蓮見に行かん 季 己
『笈日記』に、「去年(こぞ・元禄七年)の夏、又此のほとり(注 膳所)に遊吟して、遊刀亭にあそぶとて」と支考の前書を付し、「納涼二句」として掲出。
「さざ波や」は、大津、志賀、長等、比良など湖南地方の地名に冠して、枕詞のように用いられることばである。
「相拍子」は、相の手を入れること。
「遊(正しくは辶ではなく氵)刀(ゆうとう)」は、近江膳所(ぜぜ)の人で、垂葉堂と号し、能太夫であったという。
主の遊刀が能太夫であるところから、「相拍子」というような能の用語を用い、主への挨拶としたもの。軽やかな調子を生かした、即興の軽い味のものである。
季語は、「風の薫」が「風薫る」・「薫風」を意味し、夏季。
「琵琶湖のさざなみが、規則正しく波音を立てて寄せているが、折からの
薫風がこれとよく調子があって、あたかも相拍子を入れているようで、
涼しく爽やかな感じである」
夏盛んモネの睡蓮見に行かん 季 己