壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

「犯罪予告」は犯罪!?

2008年07月13日 22時05分41秒 | Weblog
 朝刊の折込広告の中に、「広報 けいしちょう」第31号が入っていた。
 その4面、“ネットで警視庁”の欄に[「犯罪予告」は犯罪!?]と題した、考えさせられる記事が載っていた。

    『小学生が「殺人予告」で補導』
    『「爆破予告」の書き込みで中学生逮捕』
   今年報道されたニュースを見て驚いた人も多かったのではないでしょうか。

 という書き出しの記事だ。考えさせられたのは、つぎの部分。

   このような軽い気持ちであっても、例えば「××駅を爆破する」と書き込
  めば、その鉄道会社は被害を防ごうとして、列車を運休したり、駅や車両の
  点検をするでしょう。そのことによって、通常の業務が妨害されたことにな
  ります。
   また、特定の人物を名指しして「□□を殺す」と書き込めば、その人に不
  安感や恐怖感を与えたり、行動が制限されたりすることになるでしょう。
   こういった犯罪予告の書き込み行為は、内容によっては、業務妨害や脅迫
  などの犯罪に当たります。

 書いてあることは、よく分かるし、当然のことであろう。
 では何が問題かというと、「予告」ではなく「予言」であったらどうなのか、ということである。
 つまり、「犯罪予告」ではなく、「犯罪予言」だったら、犯罪に問われないのかということだ。具体的に言えば、こうだ。
 「○月中に、××駅が爆破されることを予言する」と書き込んだ場合、これは罪にならないのだろうか。
 「予告」ではなく「予言」ならば、おそらく犯罪に問われる可能性はゼロであろう。
 なぜなら、ブラジルの「的中率90%の予言者」・ジュセリーノ氏の公式サイトが、いまだ摘発されないのだから。
 もっとも的中率90%自体が怪しい。

 ジュセリーノ予言年表の、2008年4月以降に関する予言集を見てみると、
中国の四川大地震はもちろん、岩手・宮城内陸地震の予言もない。
 2008年6月 大阪でマグニチュード6.3の地震が発生します。これによ
         り、多くの問題が発生します。
      6月 台風が日本を直撃し、さまざまな大問題に発展します。
      6月 インドネシアのジャカルタでマグニチュード7.3の地震が
         発生します。
 など、ことごとくハズレ。
 もちろん、外れたほうがいいに決まっている。だから許してしまうのだろうか。
 的中率90%は、どういう計算をしているのだろうか。ある意味、消費期限改竄よりひどいのではないか。

 中国で大問題になったのが、つぎの項目である。

 2008年9月13日にマグニチュード9.1の巨大地震が中国を直撃し、百万
 人に達する死者を出す可能性があります。もし中国で地震が起こらない場合は、
 日本の名古屋でマグニチュード8.6の東海地震が発生する可能性があり、その
 場合、600名の死者と3万人の家屋が失われる可能性があります。

 これは“可能性があります”と、逃げ道を作っている。
 しかし、これを見て、不安感や恐怖感をおぼえたり、この日の行動を制限されたりする人が全くいない、と断言できるだろうか。現に中国では大騒ぎになり、関係省庁が、そのような可能性はない、との声明を出したほどなのだ。
 それとも特定の人物を名指ししていないので、罪に問われないのか。
 母は、新聞広告で、週刊誌のそのような予言の見出しを見ただけで、脅えてしまうのだ。これは脅えるほうが悪いのだろうか。

 東京に関するものでは、

 2008年7月  東京でマグニチュード6.5の地震が起きます。
 2010年5月  5月14日に東京でマグニチュード7.7の大地震があり、
          多大な被害が出ます。
 2010年9月  9月15日に東京でマグニチュード8.4の巨大地震が発生
          し、新たな関東大震災となります。

 これだけ世間の人々に、不安感や恐怖感を与えても、罪に問われず、英雄のようにテレビ出演し、いたずら半分で書き込んだ「予告」が犯罪になる。
 どう考えても、納得できない。
 早く、犯罪「予言」に対する対策を考えておかないと、大変なことになりますよ、と「予言」しておく。


      香水や銀座に多きツアー客     季 己