こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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介入困難

2009-08-29 16:09:32 | 訪問看護、緩和ケア
うちのステーションは、訪問看護のほかに、居宅支援(ケアマネ)と、ささやかながらヘルパー事業所も併設しています。

ここで13年もやっているので、口コミなんかでもいろんな相談が来ます。
でも、全部が全部うまくいくわけではなく、かなり問題があっても当の本人、もしくはその家族がすべてをシャットアウトしてしまうケースもあります。

ケアプラザからうちにきたUナースいわく「、ケアプラザでは、ただ働きは日常茶飯事ですよ。」とのことだから、頻度としてはいいほうなのかもしれませんが・・・

は~・・・

困ったときだけ、「今すぐ助けて!なんとかして!お宅に電話すれば助けてくれるって、近所の人から聞いたから!」って。

聴けば、老老で病気を抱えた夫を介護中に、自分もぎっくり腰で動けなくなり、もう何日も近所の人の世話になっているとのこと。
それじゃあ大変だからと、うちのケアマネが何度も足を運び、代行申請をし、前倒しでヘルパーを入れやっと一息着いた頃・・・

なんとか自分のことはできるまでに回復したと思ったら「まったく、介護保険がこんなに面倒なことだとは思わなかった。お金もかかるし、もういいわ。」って・・

さらに、まったく連絡をよこさなかった息子が登場。
「もういいからさー、ヘルパーも要らない。お金かかるし。こっちで病院に相談しておやじのことも何とかするから全部切って。けあまね?いいよ、知り合いにいるから。」って、迷惑そうに。

だったら、最初から知り合いに頼めよ!
親をちゃんとみろよ!
近所の人に迷惑かけて、挙句親に「たすけてー!」とか言わせるなよ!
と、言いたい言葉を飲み込んで。

「お父さん、かなり弱っていますよ。
転倒繰り返しているし、病気も悪化しているし、うちじゃなくていいから、とにかく看護師さんにも来てもらってくださいね。」
ケアマネが何度か言いましたが、「ふんふん」と気のない返事で終わったそうです。

結局介護度も出ていなうちに、動かされるだけ動かされて、なんとかヘルパーの給付だけはとれるものの、ケアマネとしてはほとんどボランティアです。

こんなことが、ケアマネでも訪問看護でも年に数回はあります。

心配なのは、状態が悪化しているおじいさんですが、もう、私たちになすすべはありません。
ご家族が、病院に連れてい行ってくれるのを祈るだけです。
一応、こういうケースはネグレクトが心配されるので、ケアプラザと高齢担当には報告しておきますが・・・。

権利ばかりを振りかざして、人としての義務や常識は棚に上げてしまう。

そんな人たちも少なからずいるのは、致し方のないことでしょうが・・
モンスターペーシェントに困っている病院も多いと聴きますが、それでも「たすけて」と言われれば、私達は動きます。

でも、「それも人生経験、勉強になったね。」って言いながら納得するしかないんだろうな~。

でも、でも、そんな人たちばかりじゃない!
最初は、人が入ることをかたくなに拒んでいた人が、ちょとしたことがきっかけで、少しずつ心を開いてくれて、今では必要なサービスをうけて、ご夫婦で穏やかに楽しく過ごしているかたもいる。
安心しているよ」と言ってくださる、たくさんの利用者さんがいる。

まあしうがないかな。
それでも「助けてくれる」場所として、地域に根差しているのだとしたら、それも私たちの役割なんだろうし。

それにしても、ペーパーだっだケアマネ業務を、一生懸命こなしている彼女。
3月から始めて半年・・。
なんだかんだ言いながら、よくやってくれています。
嫌にならない適度に、頑張ってほしいと思っています。



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