住みたい習志野

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Narashino Geography⑮ 大地形と小地形

2021-01-26 00:01:48 | 地理学

大地形と小地形

地形を見ると、大陸を構成するような「大地形」と身近な地域で見られる「小地形」、さらに細かな「微地形」とに分けられます。


大地形は
ヒマラヤ山脈などのような巨大な山脈で現在も変動する「新期造山帯」と、
現在は活動していないウラル山脈などの「古期造山帯」に分けることができます。
大陸を構成する大平原は「構造平野(安定陸地)」と呼ばれ、6億年ほど安定し変動していない平原です。


(紫が新規造山帯、青が古期造山帯、網かけが構造平野(安定陸地))

日本列島ができるまで
日本列島は約600万年前(諸説あり)に日本海が形成され、現在の日本列島ができたとされます。


4つのプレートが接する日本列島
その後、現在でも変動帯の環太平洋造山帯に属していて、西のユーラシアプレート、北東の北米プレート、東の太平洋プレート、南のフィリピン海プレートが日本列島で接しています。習志野は北米プレートの上にのっています。
地震のメカニズム

富士山は3つのプレートの接点でそのため噴火を繰り返し、大きな火山となっています。日本列島で古いのは北陸地方、最も新しいのは房総半島です。プレートは、数cmの年速で東と南から日本列島を圧迫しています。その力で海底が盛り上がった皺しわ(褶曲しゅうきょく)が日本列島です。

現在もプレートに圧迫され続けているので日本列島は複雑に変形し、時として海洋でプレート境界型の巨大地震が発生します。

3・11大震災の時、習志野市でも液状化現象が見られた
2011年3月11日に北緯38度06分、東経142度52分、深さ24 km を震源とする東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9の巨大地震で、長周期振動、津波などの被害とともに福島第一原発のメルトダウン事故を引き起こし、いまだ事故は終息していません。
習志野市でも国道14号線の旧汀線(ていせん:波打ち際)より海側(埋め立てする前、国道14号線より南側は東京湾でした)と浅い旧河道などで液状化現象が見られたところがありました。

(昔の国道14号線。南側はすぐ東京湾で、国道まで水しぶきが上がってきました)


(東日本大震災の時の袖ヶ浦の液状化)

台地上でも埋め立てたばかりの軟弱な地盤では液状化現象が起こります。

予知は難しいが、地震が起こることは確実
海洋プレート型の巨大地震は、プレートの縁が海溝に引きずりこまれ、限界を超えると反発して起こる地震で、周期性があります。しかし、地震予知は難しく、おおよその予測はできますが日時を限っての予知はできないというのが、世界の地震学の常識です。しかし、地震が起こることは確実で、日本で暮らせば、地震災害を覚悟する必要があります。

日本人は地震に慣れているが…
ちなみに、米国のほとんどの地域では地震が少ないので、震度という概念が一般にはありません。もし東京オリンピックが開かれ、大勢の海外の人たちがスタジアムなどで生まれて初めての地震に遭遇したら、どんなパニックが生じるか分かりません。多くの外国人が「世界の終わりか」と思い、出口に殺到する恐れがあります。日本人にとってはなんでもない震度3程度でも初めて経験する人たちには恐怖そのものです。
(映画「エンド・オブ・カリフォルニア」)

大昔、九州の火山の噴火で関東にも火山灰が降った
もう一つ、日本列島形成の主役は火山です。千葉県には火山もなく遠くに富士山や箱根火山を望むだけですが、日本列島の山地形成のバラエティは火山によるものです。火山は噴出する溶岩の粘り気によって形態が決まってきます。また爆発の大きさによっても形が変わってきます。世界最大の火山は鹿児島県の南方沖にある姶良(あいら)カルデラと呼ばれる海底火山で、その噴火の影響は関東地方にまで及んでいます。

約29,000年前、現在の錦江湾(きんこうわん:鹿児島湾の別名)北部で超巨大噴火が起こり、「姶良(あいら)カルデラ」と「シラス台地」が形成されました。
この超巨大噴火から約3000年後、今から約26,000年前に、カルデラの南端に桜島が誕生しました。
桜島は、姶良カルデラの子どものような火山として、噴火活動をはじめました。

富士山が噴火すると…
富士山も周期的に噴火する火山で、噴火によって噴出する火山灰は横浜あたりで1m、習志野あたりでも10cmほど降り積もると予測されています。

火山灰の細かな粉は自動車のエンジンをダメにし、送電網も異常となって停電します。スマホやPCにも入り込み、使えなくなる可能性があり、通信も交通も止まって復旧には数カ月を要すると言われています。

日本列島を変化させているのが侵食・運搬・堆積
プレートや火山の力で形成された日本列島を長い年月を掛けて変化させているのが侵食・運搬・堆積という作用です。

日本は雨が多いので、山地は強い浸食作用でV字谷が発達し、急峻な山地を形成しています。急な河川では運搬作用が大きく大粒の砂礫も運ばれますが、山麓で急に傾斜がゆるくなると運搬できなくなった砂礫を堆積させます。細かな砂などは最後は海に運ばれて、河口部に堆積して、三角州(デルタ)や砂州などの砂礫の地形を形成します。

習志野の台地は洪積台地
習志野の台地は、数万年前の洪積世と言う時代に形成された平野が海面が下がって形成され、洪積台地※と呼ばれます。関東平野は主に台地によって形成された平野で、坂が多いのが特長です。大阪平野は主に沖積平野という低平な平野で、河川と運河が発達しています。

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※洪積台地については、
Narashino Geography④ 自然地理学 - 住みたい習志野
でも触れました。

東京の地形は複雑、大阪は「のっぺり」
大阪は水の都と呼ばれました。現在は東京も大阪も地形が分かりにくくなっていますが、高層ビルが林立する前の東京は台地の縁が緑地となり意外とみどりの多い街でした。大阪は高いビルなどから眺めると平野全体にのっぺりと住宅地が密集していて東京とは景観がずいぶん違うものでした。

(東京と大阪の地形の違い:東京は複雑、大阪はのっぺり)
http://osakakoteisa.blog.fc2.com/blog-entry-2.html

宅地化が進んだ習志野市。昔「新津田沼駅」はパルコの裏にあった
ボクが学生の頃、50年近く前の「国鉄(現JR)津田沼駅」です。

その頃習志野は宅地化が進み、東京の通勤圏として大きく変貌する最中でした。ボクが高校生の頃には新京成線「新津田沼駅」はパルコの裏あたりにありました。50年前の話、多分3代目「新津田沼駅」の頃です。(近)



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1 コメント

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Unknown (関(古今書院))
2021-01-30 00:45:06
ブログの感想をお送りしようと思っているうちに、年末の仕事に終われてご連絡できませんでした。地理関係者のいう「地理」の話題だけでなく、ひきこもりなども含めて社会問題にふれておられるのがすばらしいと思いました。とコメントしようと思っていたら、どんどんブログのお原稿が増えていって、追いつけなくなりました。。。
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