今の日本の政府や政治家に共通するのは、
〇「人の命」を奪っても何とも思わない。謝罪すらしない。
〇事実がバレそうになると全力で「隠ぺいしようとする」
この二つです。それを思い知らされる事件が相次いでいます。
➀森友文書改ざん問題で自殺に追い込まれた赤木さんの「命」
赤木雅子さん「赤木ファイルを黒塗りさせる麻生大臣」イラストの悲痛
「赤木ファイル」という言葉は、一躍“トレンド”に躍り出た。全国紙はもちろん北海道から沖縄まで全国の地方紙の社説で取り上げられ、揃って「全面開示すべき」と訴えた。それは国側が無条件ですべてを開示するわけではないからだ。
森友問題で公文書改ざんを強要され命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(享年54)の妻・赤木雅子さんは、「これじゃマスキングをさせられた夫の二の舞になる職員の方が出てくる」と嘆く。
たとえ開示されても、名前が隠されては「誰が、何を、どう指示したのか」の実態が見えなくなる。たとえば前首相の妻、安倍昭恵さんの名前の問題だ。改ざんにあたって公文書にあった昭恵さんの名はすべて消されたことが分かっている。誰かがそれを指示したはずで、そうした情報が明らかにならなければ、「夫の死の真相を知りたい」という雅子さんの願いが叶うことはない。
以下の文章は、開示を待つ雅子さん本人の言葉だ。
* * *
マスキング……、その言葉に思い当たることがありました。夫の昔の手帳を見返すと、2017年3月4日に「PDF、マスキング作業」という書き込みがあったのです。夫も黒塗り作業をやらされていたんですね。
この少し前、森友学園への国有地の値引き売却が明らかになりました。学園の小学校の名誉校長が安倍昭恵さんだったから、国会で連日追及されました。それで夫は、この年の2月26日、日曜日だったのに職場の上司に呼び出されて、昭恵さんの名前を公文書から消すように言われました。その日、夫のメモ帳には「統括から連絡を受け出勤」「本省からの指示」という書き込みがあります。これが公文書の改ざんだったんです。その翌週に、公文書の黒塗りもさせられていたなんて。「こんなこと、したくなかっただろうなあ」──そう思うと私も辛かった。
財務省の人は簡単に「黒塗りする」と言いますけど、やらされるのはいつだって現場の人です。夫もそうでした。現場の職員が一番辛いと思います。だから黒塗りなんかせずに、そのまま出してくれたらいいんです。
そう思ってイラストを描きました。
右にいるのは麻生太郎・財務大臣で、左には指示されて黒塗りをしている現場の職員たち。一番左は夫のとっちゃん(俊夫さん)です。背景の黒い筋は黒塗りの帯をイメージしました。「麻生大臣、現場の職員に黒塗りを押しつけないでください。赤木ファイルをそのまま出してください」というのは、私の今の気持ちそのままです。
そんな時、信濃毎日新聞(長野県)のコラムを弁護士さんが送ってくれました。赤木ファイルを取り上げたそのコラムの文末にはこのように書かれていました。
「財務省が提出するファイルに黒塗りがあれば、雅子さんならずとも世論が許さない」
この国に良心があれば、黒塗りなんてしないはず。見捨てられるはずがない。だから思います。「ダメ。ゼッタイ。黒塗りは」という世論が報道によって高まれば、全面開示を勝ち取れるんじゃないかと。「#赤木ファイル」「#黒塗りはダメ」と、皆さんにお願いしたい気持ちでいっぱいです。
(NEWSポストセブンより)
➁法務省・入管が治療をさせず、死亡させたスリランカ女性の「命」
名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡した問題を巡り、法務省は13日の衆院法務委員会理事懇談会で、中間報告を作成する前にウィシュマさんの診療記録を入手したものの、入管側が「医師の記録は事実ではない」と回答したため、診療記録と異なる内容の報告を作成したと説明した。野党は「事実をねじまげた」と批判を強めている。
懇談会に出席した立憲民主党の階猛氏によると、法務省は報告作成前に、女性が外部病院で受けた胃の内視鏡(胃カメラ)の診療記録を入手したと認めた。診療記録には「(薬を)内服できないのであれば点滴、入院」との医師の指示が書かれていた。法務省は名古屋入管側に問い合わせたが「事実ではない」と回答したため、報告に「医師から点滴や入院の指示がなされたこともなかった」と記したという。
毎日新聞は13日付朝刊で、ウィシュマさんの診療記録を入手し、入管の報告と内容が食い違うと指摘していた。【宮原健太】
(5月14日毎日新聞)
➂「日本ミャンマー協会」が支えるミャンマー軍部によって奪われた700数十人のミャンマー人の「命」
日本ミャンマー協会の役員には、最高顧問の麻生太郎を始め様々な人物が居り、安倍昭恵さんや加計孝太郎氏も関わっています。
日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ
日本ミャンマー協会会長が国軍司令官と会談へ 混迷する情勢に両国間の対応協議か(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース
クーデターの首謀者であるミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官と親密な関係にある、日本ミャンマー協会の渡邉秀央会長が5月13日深夜、ミャンマーに向かった。独立系メディア「民主ビルマの声」(DVB)によると、渡邉氏は首都ネピドーで国軍司令官と会う予定という。「国軍司令官」が誰を指すかは不明だが、同氏はクーデター直前の1月19日にも総司令官と会談している。日本政府のいう「独自のパイプ」の一つと見られる渡邉氏は今回の会談で、混迷を深める同国情勢の中での日本との関係について協議するものとみられる。
13日の渡邉氏の出国直後、ミャンマー国営テレビが、クーデターへの抗議デモなどを取材していて「虚偽のニュースを広めた」としてミャンマー当局に逮捕・起訴されていたフリージャーナリスト北角裕樹氏が解放されたという速報を流した。これまで日本の外務省とミャンマー当局の間で、水面下で北角氏の解放交渉が進められてきたが、このタイミングでの発表は、今回の渡邉氏のミャンマー訪問に対する国軍側のサインとしても読み取ることができる。国軍幹部らとの北角氏の解放の見返りとして、何らかの約束が取り交わされる可能性は否定できない。
国営テレビは解放の理由として、ミャンマーと日本との友好関係が考慮されたと伝えた。
北角氏解放の前日12日には、同じようにクーデターへの抗議デモを取材中に逮捕されたDVBの記者に禁固3年の実刑判決が言い渡されている。
(NEWSWEEK日本語版から抜粋)
ミャンマー国軍から解放の北角さん、拘束時の過酷な実態を明かす 虚偽ニュース拡散「でっち上げ」:東京新聞 TOKYO Web
➃空爆で殺されている多くのパレスチナ人や子どもたちの「命」
イスラエル政府が、パレスチナのアラブ人に強制立ち退き命令を出して、今まで住んでいた土地から武力で追い出す。イスラエル警官隊がエルサレム旧市街のイスラム教の聖地になっているモスクを武装襲撃、お祈りしていた人たちを暴力でけちらす。こうしたことをめぐり、イスラエルとパレスチナ自治区の間での衝突、戦闘が激化しています。イスラエルの空爆で200人以上のパレスチナ人や子どもたちが殺されています。
パレスチナ人の死者2百人超 イスラエル、攻撃継続宣言 | 共同通信
中山防衛副大臣が、「心はイスラエルと共に」と、200人以上の命を奪ったイスラエルの空爆を支持するツイートをしたことが問題になりました。
中山防衛副大臣「心はイスラエルと共に」ツイート 「政府見解と違う」指摘相次ぐも「個人の考えだ」
波紋を広げた中山泰秀防衛副大臣のツイート。中山氏は「政治家としての、個人の考え」だと説明している
パレスチナのイスラム原理主義組織、ハマスがイスラエルの主要都市・テルアビブに多数のロケット弾を発射し、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区を空爆している問題では、報復の連鎖が繰り返されつつある。そこに中山泰秀防衛副大臣が「私達の心はイスラエルと共にあります」と、政府見解と異なるともとれる内容をツイートし、波紋が広がっている。
このツイートには、「SavePalestine」(パレスチナを救え)のハッシュタグ付きで 「イスラエルはテロリスト国家」 という返信が大量に寄せられたほか、 「そう思うならイスラエルの攻撃も止めるよう言いなさいよ」 という声も寄せられた。
政府公式見解は「すべての関係者に対し、一方的行為を最大限自制」求める
なお、外務報道官が5月11日に発表した談話では、イスラエル・パレスチナ情勢について「深刻な憂慮を表明」した上で、「暴力行為を強く非難」。さらに、 「日本政府は、すべての関係者に対し、一方的行為を最大限自制し、事態の更なるエスカレートを回避し、平穏を取り戻すよう強く求めます」 としている。 対立の背景にあるのは、パレスチナ人居住地域でのユダヤ人入植地問題だ。報道官声明では、イスラエル側の対応を非難している。 「この関連で、シェイク・ジャッラーハ地区を含む東エルサレムのパレスチナ住民に対する強制立ち退き命令の可能性は、事態を更に悪化させかねないものと指摘せねばなりません。また、イスラエル政府当局による東エルサレムにおける540棟の入植地住宅建設計画は、我が国が国際法違反として幾度となく撤回を求めてきたイスラエル政府による入植活動の継続にほかならず、まったく容認できません。イスラエル政府に対し、その決定の撤回及び入植活動の完全凍結を改めて求めます」
このように、中山氏のツイートは、日本政府の立場とは距離がある。立憲民主党の蓮舫代表代行も「防衛副大臣のこの投稿は政府の見解とは違います」とツイッターで指摘した。
(5月13日JCASTニュース)
自分たちのせいで起きた赤木さんやウィシュマさんの死。いまだに謝罪の言葉もありません。法務大臣はウィシュマさんの診断記録を「中間報告」から削除して事実の隠ぺいを行い、ウィシュマさんのご遺族との面会を拒否し続けています。
ミャンマー軍部を支える「日本ミャンマー協会」の「軍部との太いパイプ」のおかげで700人以上が命を奪われています。
イスラエルによる空爆で200人以上の人命が奪われているのに、「イスラエル支持、もっとやれ」という心無いメッセージを防衛副大臣が発信しています。
まさに「モラルハザード(倫理観、良心の欠如)」、今の日本の政治家に「命の尊厳」という言葉は通じないようです。
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この問題は、もう安倍首相も辞めていることだし、奥様は私人でもあるので、もう気を遣うこともないだろう。どういう経緯で関わっているのかも含めて、財務省は経緯をはっきり明らかにすべきではないかと思う。財務省といえば、かつては官庁の中の官庁、国税庁も含めて、国民には絶大な信頼感のあった官庁であったと思う。今日の権威の失墜を見るにつけ、こういう問題をいつまでも引きづっているようでは、財務省の復権はないのではないか。奥様は今まで、夫の意志を汲んで、よくやってきたと思います。「赤木ファイル」の存在を認めてもらえたことは一歩前進ですが、この際、事の経緯をはっきりさせた方が良いと思う。もう麻生財務大臣も7年以上にわたって大臣を務めているのだから、事の経緯を明らかにして責任の所在を明らかにすべきではないですか。