(東京新聞の記事より)
旧統一教会系と歩んだ安倍氏「3代」…スパイ防止法を巡る歴史から闇を読み解く
◆岸信介氏「あるときは内密に…」
◆岸氏、勝共連合、そしてCIA
◆晋太郎氏「自信たっぷりの笑顔で…」
◆全ては朝鮮半島との関係の中に
◆晋三氏の登場と「特定秘密保護法」

国会議事堂前で特定秘密保護法に反対した人たち=2013年12月
◆「教団系は自民党のいたるところに」
小泉政権で自民党の伝統的支持基盤が弱体化 その裏で台頭した旧統一教会
経世会をぶっ壊す
現在のように自民党議員の多くが旧統一教会と関係を結ばざるを得なかったのは、小泉政権時代、自民党の伝統的支持基盤が崩壊したことに大きな原因がある。
「自民党をぶっ壊す」と首相に就任した小泉氏は、「派閥政治の打破」を掲げ、総選挙で小泉チルドレンと呼ばれる大量の無派閥の新人議員を当選させ、組閣人事では派閥の大臣推薦を受け付けない方針をとった。そのため、派閥政治家との印象は薄いが、実際には森内閣時代に清和会会長として政権を支えた生粋の派閥政治家だった。
小泉首相は政権につくと「構造改革」を掲げ、公共事業費を大幅に削減、道路公団や郵便、郵貯、簡保の郵政3事業を民営化し、地方自治体への補助金をカットした。これら小泉改革の標的にされたのは、建設業界、特定郵便局長会などいずれも清和会と敵対していた当時の最大派閥・旧経世会が利権を持つ業界ばかりだ。
その手法はまさに政敵の粛清だった。自民党内の造反で郵政民営化法案が参院で否決されると、小泉氏は衆院を解散して反対派議員に刺客候補を立てて落選させ、当選した議員には離党を強要して排除した。
元建設官僚で自民党参院幹事長を務めた脇雅史・元参院議員(旧経世会OB)が言う。
「小泉さんは権力闘争は得意だが、キチンとした政策論がないまま人気取りで改革を進めた。例えば、公共事業にしても骨太の方針でいきなり公共事業不要論に持っていった。その結果、本来必要な事業までいらないと印象づけられ、日本の公共事業、インフラは世界的に見ても遅れてしまった。最近になって国土強靭化で再びインフラ強化に取り組んでいるが、まだ遅れを取り戻せていない。小泉さんの改革はあくまで権力闘争の道具で、経世会を弱体化させ、清和会を強くする発想でしかなかった」
清和会OBの伊藤公介・元国土庁長官が振り返る。
「小泉さんの“自民党をぶっ壊す”という言葉は、結果的に経世会をぶっ壊すということになった。小泉さんがやろうとしたのは、自民党の支持基盤である各種団体の陳情を聞き、数の力で政治をする経世会の派閥政治の手法を変えることだったが、郵政民営化で経世会が弱体化してかわりに清和会が数を握ると、その清和会が数の力で政治を支配するようになっていった」
旧経世会との権力闘争に勝利した清和会は党内のヘゲモニーを握ったが、小泉改革は建設業界、郵政、農業票など自民党の伝統的支持基盤そのものを弱体化させ、高い支持率を誇った小泉氏が退陣すると、基礎票を失った自民党の力は急速に衰えて民主党への政権交代を招く。
そして民主党政権の失政で安倍氏が首相に返り咲いたとき、自民党の支持基盤はすでにガタガタになっていた。安倍氏の生い立ちと安倍家の政治的系譜を描いた『安倍晋三 沈黙の仮面』の著者で政治ジャーナリストの野上忠興氏が語る。
「安倍元首相は再登板してから国政選挙で6連勝したが、実は、自民党の得票総数はほとんど増えていない。かつての自民党の伝統的支持基盤が戻っていないことを示している。それでも選挙に勝ったのは野党が分裂、弱体化した結果です。安倍政権は壊れてしまった支持基盤を補うために、選挙で旧統一教会の集票力に頼らざるを得なかった。父の晋太郎氏と同じことをしたわけです」
いまや安倍派は傍流ではなく、自民党を支配する最大派閥だ。その“集票マシン”となった旧統一教会は自民党への浸透をより深めていった。
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