隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1714.矢上教授の午後

2017年02月24日 | 学園ミステリー
矢上教授の午後
読了日 2017/02/24
著 者 森谷明子
出版社 祥伝社
形 態 単行本
ページ数 355
発行日 2009/07/20
ISBN 978-4-396-63321-9

 

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の地方では春を待ちわびる気持ちが強いといわれるが、このところ続いた春の嵐がようやく収まって、穏やかな朝を迎えたと思ったら、空は一面の雲で覆われており、比較的温暖な当地方ではあるものの、同様に春を待つ気持ちは変わらない。そんなことを思うのが歳をとった証拠なのかもしれない。
時々歳をとった、あるいは年寄りだ、などとここに書いてはいるが、一方で心の底ではまだ77歳はそれほどの年寄りではないだろう!テレビなどでは、90歳を超えてもなお元気で農作業をしている人も見るではないか。と、そんな叱咤激励を自分にすることもある。しかし、もうどう見ても若いとは言えない歳になったのは、気力も体力も衰えていることで確かだ。
夕から宵にかけてパソコンの前に座っていると、無性に眠気に襲われる時がたびたびある。たまらずデスクに突っ伏してしまうこともあり、以前は考えられなかったことが起きている。

今は唯一の趣味となった読書にしても、日一日と昼の読書が長くなって、逆に夜の読書時間が次第に短くなっている。歳をとるとだんだん子供に帰るなどと言われるが、僕は、夜明けとともに起きて、日没には寝る、そんな古代の人間生活に戻っていくかのような気にさせられる。

 

 

作家にとってタイトルはどの程度の重要性を持っているのか知らないが、多分それは人によって違うのだろう。読者である僕にとっては、結構大事なことで、時にはそのタイトルで傑作ミステリーを見出すこともある。
傑作と言ってもあくまで僕の独断と偏見による判断なのだが、これと思ったタイトルが期待通りの面白さであったりすると、その喜びはひとしおで、もしかしたら僕は好みのストーリーを見分ける力があるのか!などと妄想を抱いてしまうことも。
森谷明子氏のこの作品もタイトルを見ただけで、読みたいと思った1冊だ。それでもそんなことを思ったのはもう何年も前のことなので、それほど切実な思いでもなかったのかと今になって思う。 1週間ほど前に木更津市立図書館で、森谷明子氏の著作の中から本書と「花野に眠る」の2冊を借りてきた。最近は割と頻繁に図書館に通うのだが、たくさんの蔵書を見て回るうちに、自分はどんな本を読みたいのかわからなくなってくる。

インデックス「も」のところを見ていて、森谷明子氏の著作の中に本書を見つけて、前述のごとくかなり前ではあるが本書のタイトルをみて、読みたいと思ったことがあるということに気付いた。

 

 

ょっと話がそれるが、先日NHKテレビの番組で渋谷道玄坂にある古書店の店主が、「90%以上の本が古本屋でないと読めない」というようなことを言っていた。普通の新刊書店では次々と毎日のように刊行される書籍で、少し前のものは返品する。だから書店にはほんの少ししか在庫としておけない、ということのようだ。
もっともな話で、僕は今更ながらこの17年余りに読んだその9割以上の本を古書店で賄ってきたことに気付く。前回も古書店にお世話になったことを少し書いたが、改めて数字にしてみてまた少し驚いたのだ。

ここ数か月はもっぱら図書館のお世話になっているから、古書店を訪れることはないが、いずれ古書店でしか手に入らない本も出てくるかもしれない。
先日、木更津市立図書館が2月21日から28日まで、蔵書整理のため休館ということを書いたが、そうして整理した後古い書籍や雑誌が無料で、あるいは安価に売り出されることがあるのは、やはり限られたスペースの中で、提供できる本は限られるということだろう。
僕は読み終わった本は原則としてまとめて、古書店で処分してきたが、それだって部屋のスペースが狭いことからで、できれば手元に取っておきたい本はたくさんあるが、致し方がないことなのだ。

僕は高校しか出ていないが、この歳になってたまに大学生活にあこがれを抱くことがある。特にこうしたストーリーを読んでいるときに、その思いが強くなって、今からでも経済的に余裕があれば、大学受験に挑戦してみたい!などと思うこともあるのだが、夢のまた夢だ。
そんな思いを持たせる物語は、著者の巧みなストーリーや登場人物のキャラクター造形により、リアルながらファンタスティックな世界を作り上げている。著者が創造したフィクションの世界で、生き生きと活動するキャラクターたちを映像でも見たいと思う。

 

 

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