隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1217.陰の判決

2012年01月13日 | リーガル
陰の判決
読 了 日 2011/12/08
著  者 小杉健治
出 版 社 新潮社
形  態 文庫
ページ数 297
発 行&nbsp:日 1989/01/25
ISBN 4-10-108412-2

 

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の1年ばかり、ことによったらもっと前からかも知れないが、いくつもの裁判ドラマを見てきた。きっかけはNHKのBSで放送された「グッド・ワイフ」ではなかったかと思うが、主演のジュリアナ・マグリース女史は以前夢中になって観た「ER緊急救命室」でおなじみの顔だった(因みに吹き替えの声優も同じ野沢由香里氏だ)こともあって、興味深く見た。
夫が収賄疑惑で収監されたことにより、再び弁護士業に就くことになったアリシア(マグリース)の毎回の活躍を描く裁判ドラマだ。
その後、スーパードラマTV(スカパーのチャンネル)の「女検察官アナベス・チェイス」、AXNミステリー(同)の「判事ジョン・ディード」等々、つい最近「グッド・ワイフ」のセカンド・シーズンも始まり、AXNミステリーでは「SILK王室弁護士マーサ・コステロ」が一挙放送されるなど、どこも裁判劇に力を入れるのは、我が国でも裁判員制度が始まったことに由来するのか?理由はどうあれ僕にとっては嬉しい限りだ。

 

 

法廷や裁判をテーマとした小説は、普通弁護士から転向した作家や、検事を経験した作家など、法曹界に籍を置いていた作家が書くことが多い中、全く専門外の小杉氏がいくつものこうした作品を発表していることに驚きを感じる。
しかも僕が著者の作品に惹かれるのは、裁判劇の面白さももちろんだが、登場人物たちの複雑な人間関係が一筋縄では収まらないストーリー展開だ。終わったかと思うともう一つその先に真相が隠されているスリリングなドラマに、魅了される。
かつて、いや今でもだが、僕はE・S・ガードナー氏のペリイ・メイスンシリーズにその魅力を感じており、たくさんの作品を読んできているが、それとは違った国内の事件はより身近に感じて、一層のサスペンスを感じるのかもしれない。「陰の判決」というタイトルから、僕はある種の予測を思い描いていたが、ストーリーは僕の予測などはるかに凌ぐ展開を見せて、進む。

また別の作品を探さなくては・・・・。

 

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