Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

樽見鉄道の客車列車、運転終了。

2006-03-05 06:52:46 | 鉄道(地方・専用線など)
「3月4日で客車列車の運転を終了」。
樽見鉄道ホームページ上での唐突な宣告に目が点になった。

ただ、冷静に考えると「運転終了」自体は時間の問題であって今更驚くことでもないと思い直す。
元々客車列車自体、今年度末の貨物輸送廃止に伴って存続する可能性は低かった上、客車列車を主に利用してきた通学生も卒業する。
ひょっとしたら貨物列車よりも早く、春休み前に客車列車の運転を取りやめるのではないかとも思っていた。

しかしながら、先月客車列車を求めて樽見鉄道へ行ったが見事に空振り。
最後の最後で埋め合わせをしようと、昨日朝一番の列車で名古屋を出発した。

列車は穂積を過ぎ、揖斐川橋梁を渡る。
進行方向右手には撮影地として知られた揖斐川両岸が見えてくる。
撮影目的と思しき車が早くも集まり始めていた。

大垣には6時28分に到着。
西へ急ぐ人達を尻目に改札を出る。
ここから一駅お隣の東大垣まで歩こうと思う。
何処で撮るにしても出来る限り早く行くことにしくはない。
次に大垣を発車する樽見鉄道の列車は7時14分発。
待ち時間の間に一駅間は歩けるだろう。

約30分歩いて東大垣に到着。
大垣と東大垣の間は3km弱だったが、思ったより早く着いた。
とはいえ、揖斐川橋梁まで行くにはちょっと遅いかなとも感じる。
結局、東大垣駅で入線してくる大垣行の客車を撮ることにした。
幸い、同業者が一人来ていただけ。
場所には余裕がある。

7時20分過ぎ。甲高い汽笛が聞こえた。
最後の大垣行客車列車がゆっくりと入線してきた。
暖房で白く曇った窓から見える車内はガラガラ。

7時14分に大垣発樽見行と交換し、大垣へ向かう所を撮る。

きっと大垣は機回し風景を撮る人で賑わっているのだろうかと思う。

大垣行を見送った後、折り返しの本巣行を撮ろうと駅の近く、築堤下に移動する。
本巣行の時間が近づくにつれて、段々カメラを構えた人が増えてくる。
朝早くにも関わらず、結構な人出だ。
そんな中で7時46分発の本巣行、正真正銘「最後」の客車列車を撮影する。
大垣行の時は「さよなら貨物列車」のヘッドマークを掲げていたが、今回はなし。
その他に装飾の類は一切無かったから、先のハイモ180-202のさよなら運転同様、「普段」の姿で最後を締めくくることになる。

目の前を最後の客車列車が通過していく。
今日で日本からイベント・観光用を除いた「普通」客車列車が消える。
日常の生活と密着した客車列車の最後の活躍に立ち会えたのは幸運と言うべきか、それとも・・・とふと考えにひたる。

来た時と同じく汽笛を一声鳴らしながら、樽見鉄道最後の客車列車は揖斐川橋梁を渡り、視界から見えなくなった。

客車を見送った後、時間があったので揖斐川橋梁まで歩いてみた。
さっきまで沢山いた人も三々五々散っていき、貨物列車待ちの人だけが残っていた。
その貨物列車が走るのもあと3週間ちょっと。
樽見鉄道にとっても、我々にとっても慌ただしい時間になるのだろう。

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2 コメント

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Unknown (mac)
2006-03-05 23:15:58
樽見の12系も最期なんですか。DL牽引の客レも全国的に少なくなって(ほぼ全廃に近い)ますので、残念です。

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Unknown (地元住人)
2006-03-06 22:22:55
樽見鉄道の最後の客車列車に乗車した者ですが、

「さよなら貨物列車」のヘッドマークは機回しで客車側になっていましたよ(付け替えていないだけ)

私は始発の大垣から乗ったのですが、まさに大垣には機回しを撮る人達がたくさんいました(私もその一人ですが)

どうせなら、4月に開業する「モレラ岐阜駅」の利用客狙いで客車列車の運転を続けてほしかったです。(道路が片側1車線で余計に混雑が発生するため鉄道利用)

客車は「スハフ14 2」と「スハフ14 4」 機関車は「TDE10 5」でした

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