Simplex's Memo

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樽見鉄道への経営支援、2010年度まで延長へ。

2008-01-21 07:36:27 | 鉄道(地方・専用線など)
JR東海道線大垣駅と樽見駅の間を結ぶ樽見鉄道。
かつてバブルの頃には「第三セクター鉄道の優等生」と呼ばれる程の好業績を挙げていたが、2002年度に史上最悪の約1.2億円の赤字を記録するなど、その面影は、今やどこにもない。

その樽見鉄道には沿線自治体などからなる「連絡協議会」による財政支援が行われている。
赤字続きの第三セクター鉄道に公金を投入し続ける是非が問われつつある今、連絡協議会の出した結論は期限付きでの支援継続だった。

「樽見鉄道:支援、10年度まで延長--連絡協」(毎日新聞、12/18)

記事の概要は次のとおり。
○樽見鉄道の沿線3市2町などでつくる連絡協議会は17日、臨時総会を開き、同鉄道の支援を10年度まで延長することを決めた。
○支援額は各年度1億円強。
○支援期間中でも経営の改善が図られない場合は、運営形態の変更や支援打ち切りについて協議する。

まずは三年間様子を見て、財政支援の効果を見ようということなのだろう。
その上で効果が低いようであれば、沿線自治体が線路敷を保有し、樽見鉄道が列車を運行する「上下分離」の検討に入るのだろう。
或いは支援打ち切り、バス転換を真剣に考えていく必要があるということなのだろうかと思う。

樽見鉄道の元々の転換目的は2005年度に廃止された住友大阪セメントのセメント輸送列車を運転するためにあった。
その目的が失われた今、沿線人口の減少が言われる中鉄路の存続がいよいよ真剣味を帯びて問われ出したと言っても過言ではない。

財政支援を受けている内に、利用客の大幅増が見込めれば問題はないのだが、頼みの「モレラ岐阜」の利用者輸送需要も落ち着くだろうし、劇的な状況変化は望めない。
樽見鉄道にとって2008年度からの三年間が正念場と言えそうだ。

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