Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

三木鉄道の廃止日、決まる。

2007-07-19 07:07:21 | 鉄道(地方・専用線など)
既に廃止が決まっている三木鉄道
残る話題は「Xデー」はいつか、ということだった。
雑誌や新聞の報道では「3月」、「来春」と言われていた。
が、個人的にはこれらの観測に対して懐疑的な見方をしていた。

というのも、来年3月に廃止するのであれば昨年度中に廃止届を国土交通省へ出す必要があったが、届け出は出なかった。
年度が替わっても廃止届を提出する動きはなかった。
届け出が出ない以上、廃止手続きには入れない訳で、果たしてどうするのだろうと思っていた矢先、NIKKEI.NETの記事を見た。

「三木鉄道が廃止へ、市長兼社長が公約実現」(7/18)

前置きが長くなったが、要旨を整理しておく。
○三木鉄道は2008年7月末で全線廃止することを発表した。
○鉄道事業の廃止届は今月23日に国土交通省へ提出する。
○兵庫県と三木市は代替バスの運行を検討する。
○廃止後の線路用地や駅舎の利用方法は今後検討する。

今回の発表で「Xデー」が「来年7月31日」で確定した。
これで、今年度鉄道事業を全面廃止する事業者がなくなったことに少し安堵する。
これで今年度廃止される予定の鉄道は島原鉄道の南半分、島原外港・加津佐間だけとなる。
ただ、それも少しの間のこと、来年度はこの三木鉄道で一社確定、続いて数社で存廃の議論が進んでおり議論の進展如何では数年以内に姿を消す路線が出てくるかもしれない。

今回の事例は、「鉄道廃止」を公約に掲げた三木市長が当選した時点で結末は予測されていた。
ただ、「廃止」という公約実現を優先する余り、資産処分の方針をまとめるまでには至らなかったようだ。
確か、資産は売却して累積赤字解消に充てるという話だった筈だが。

話が若干横に逸れたが、結論として「廃止」に至る時間はこれまでになく短かったように思う。
かくして、財政状況厳しい自治体トップの公約・政策判断次第では鉄道路線の早期廃止はあり得る、という事実を教えてくれるように思えてならない。

追記:
年度途中の廃止とは何と中途半端なことを、と思っていたら三木鉄道側は来年三月末での廃止を予定していることを神戸新聞の記事で知る。
鉄道事業法上では廃止日の前倒しは可能だが、今回の事例の場合、現時点でそれが可能になった訳ではない。
いずれにしても、今後の動向を見守る必要はあるものの、今年度中に鉄道事業から撤退する事業者が出る可能性は高い。

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1 コメント

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廃止は安上がりか (ZENTAMA)
2007-07-19 11:27:22
 廃止すれば三木市西部地区の三木市当局に対する不満は膨れる。今の市長は神戸電鉄沿線出身だから三木鉄道沿線に対する配慮が無い。
 
 三木鉄道廃止後、沿線住民の流れは神戸市営地下鉄方向に移るだろう。そうなると地下鉄の三木延伸運動などが発生する。市長が西部地区出身者に代われば現実問題にかえって巨額の財政出動を招くか。

 廃止になった鹿島鉄道沿線でもつくばエクスプレス延伸の動きが有る。そうなれば巨額の財政出動だよ。
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