年末年始、ここぞとばかりに買って積みっぱなしにしていた本を読んでいた。
今回紹介する本もその一冊。
本書は題名通り、兵庫県内の廃止された鉄道についてまとめた本である。
「廃線」関係の本でよくあるのが日本全国の廃線を総花的にまとめてみた、というスタイルだが、本書がそれらと一線を画しているのは丸々一冊を「兵庫県内の廃線」に割いた点にある。
その結果、神戸市電や阪神国道線、姫路モノレール、国鉄福知山線旧線といった知られた路線は勿論のこと、戦前・戦中に姿を消した阪急・上筒井支線(1940年廃止)や国鉄有馬線(1943年廃止)、短命に終わった国鉄尼崎市場線(1967年開業、1980年廃止)、果ては存在すら知らなかった波賀森林鉄道といった知られざる路線までカバーする事が可能になった。
そして、現状を紹介しつつも、記述の中心を各路線の開業から終焉までの変遷に置いている点にも好感が持てる。
割と知られている路線から人知れず消えていった路線まで兵庫県内の廃止路線の概略は本書で把握できるのではないだろうか。
鉄道ファンが読んでも十分満足できる内容だったので、執筆者は誰かと思って奥付を見ると二人の新聞記者が書いていた。
よく勉強して書かれた本だというのは、巻末の参考文献の数からも窺えるが、非常に読みやすい本だった。
久しぶりに「新聞記者」の力量を見たような気がした。
<データ>
「ひょうご懐かしの鉄道 廃線ノスタルジー」
神戸新聞総合出版センター編
定価1,500円(本体)
今回紹介する本もその一冊。
本書は題名通り、兵庫県内の廃止された鉄道についてまとめた本である。
「廃線」関係の本でよくあるのが日本全国の廃線を総花的にまとめてみた、というスタイルだが、本書がそれらと一線を画しているのは丸々一冊を「兵庫県内の廃線」に割いた点にある。
その結果、神戸市電や阪神国道線、姫路モノレール、国鉄福知山線旧線といった知られた路線は勿論のこと、戦前・戦中に姿を消した阪急・上筒井支線(1940年廃止)や国鉄有馬線(1943年廃止)、短命に終わった国鉄尼崎市場線(1967年開業、1980年廃止)、果ては存在すら知らなかった波賀森林鉄道といった知られざる路線までカバーする事が可能になった。
そして、現状を紹介しつつも、記述の中心を各路線の開業から終焉までの変遷に置いている点にも好感が持てる。
割と知られている路線から人知れず消えていった路線まで兵庫県内の廃止路線の概略は本書で把握できるのではないだろうか。
鉄道ファンが読んでも十分満足できる内容だったので、執筆者は誰かと思って奥付を見ると二人の新聞記者が書いていた。
よく勉強して書かれた本だというのは、巻末の参考文献の数からも窺えるが、非常に読みやすい本だった。
久しぶりに「新聞記者」の力量を見たような気がした。
<データ>
「ひょうご懐かしの鉄道 廃線ノスタルジー」
神戸新聞総合出版センター編
定価1,500円(本体)