森岡 周のブログ

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日記:雑誌,理学療法学におもうこと

2011年11月11日 11時44分12秒 | 日記
先日,送られてきた理学療法学を手に取った感想です.
日本理学療法士協会の学術雑誌であり,
理学療法士にとっては,一番重い雑誌です.

そこに掲載されている論文を見て,
一言,いつから理学療法学は,
治療学でなくなったのか...

様々な記述で,そのデータの信頼性はたかいと思い,
内容も以前に比べるとより根拠のあるものと感じます.

しかし,そこに掲載されているのは,
率直に言って,臨床家にはどうでもよいことなのです.

臨床を科学するということを忘れた雑誌は,
いくら,様々な総説を掲載しても,
その解離は否めません.

科学性を追求するあまりに,
機能解離現象がどんどん起きてくる.
こうした問題の一つ一つが会員離れになることを編集する者は
肝に銘じておく必要があると思います.


臨床を科学する.
その方法は2つ.
介入効果を示すことと,
介入して変化した現象のメカニズムを分析すること,
変化しなかった効果がなかったことも含めて.
前者は臨床家中心に,
後者は研究者中心に.
これ以外の論文はもはやこの時代にいらないのではないかとも思います.
国にもっていく圧倒的なデータを考えれば,
今の掲載されている内容は,あまりにも現代にマッチングしてないと思うのは私だけでしょうか.

症例研究,介入研究,メカニズム研究.
これらが掲載されれば,臨床家は胸張って,
そのこと患者,家族,医師などに説明できると思うのです.

今の雑誌は,そう考えれば封を開封されない意味がわかります.

社会に求められている研究はどういうものなのか?
今一度考える必要があるでしょう.



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