森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

2013ニューロリハビリテーションセミナースタート

2013年06月23日 06時58分03秒 | 日記
2013年の本学のニューロリハビリテーションセミナーはじまりました。まずは、基礎編です。

昨日は脳の発生や神経可塑性の話からはじまり、脳幹、伝導路、視床、扁桃体、海馬、視床下部、とややもすれば学校卒業前にきいたけれど、そのまま通り過ぎていたところ、あるいは学校によってはさらっとしかやっていなかったところだと思いますが、脳が活動したとか、活性化したとか、マクロなことで話している、そのおおもとは何かをしっておかないと、ものごとを単純に考えてしまう嫌いがあります。一方で、皮質優位に物事を考えていますが、生物としての象徴としての脳機能とはなにか、そして、運動、認知の手前にもっと意識すべき情動という問題を考えるきっかけになったのではないでしょうか。

こうした基礎が臨床の何に役立つのかと、否定的にとらえる方もいるかもしれません。けれども、それも自己の脳なのです。なぜ、そのように自分自身がとらえているか、ひょっとすると自己の大脳辺縁系が用語に対して無意識に「嫌い」というサインをだして、例えばその矛盾(勉強しようと思っているのに、わからないとか、臨床にすぐさま役立てようと思っているのに、浮かばないとか)に対して前帯状回なんかが反応しているのかもしれません。その基盤が神経細胞による興奮性シナプスかもしれません。

いずれにしても、学習という道しるべには長期増強や長期抑圧がかかわってきますが、それには短期的に集中してスパイクさせるか、時間を費やして、繰り返し加重を増やして行くしか方法はありません。

むしろ、臨床というトップダウンの思考により、情報にフィルターがかけられすぎているのが問題のように思えるときもあります。それが学習なんですが、その一方でそれは柔軟性にかけるともいいます。臨床を知らないときに運動学を学んだときのように、例えば、実習前に人体の構造から学んだ関節運動。肩関節の運動を自分たちの体で確認しあったように、自己の実生活の中から神経科学を学んでもらいたいとも思います。今目をさまし、運動を行う自分自身。それはまぎれもなく神経系による仕業ですから。自己の行動を分析できず、人の行動を分析し、変える事はできないと思っています。ここが正念場。。最初からフィルターをかけてしまうから、キャッチコピー的な手技にはしりやすい。そして結果がすべてだという言葉にふらっといってしまうのです。その志向性も自己の脳の仕業。それを選択しそれを行動しているのも。簡単に説明するのは疑ってかかれ!これ科学の鉄則です。

いずれにしても、本日は基底核、小脳、そして皮質の4つの葉にむかいます。よりリアリティが意識されると思いますので、理解しやすいとは思います。聴きながら、書きながら、今この行動を選択しているのは、脳のなかのどなた?と思いながらきくと、面白いですよ。そして意識せずとも動けているのは、だれのおかげ?ってきくと。

いずれにしても、今日1日ニューロリハセミナーの運営を力をあわせがんばります。もちろん講義もですが,基礎編なのでみなさんが理解できるようにすすめたいと思っています。みなさんも意識を高揚させのぞんできてください。

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