森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

本年度1発目のセミナー終了!

2013年06月23日 23時45分52秒 | 日記
もうそろそろ皆さん自宅に帰り着きましたか?
あ、まだの方もおられますね。。

昨日、今日とうちの大学のニューロリハビリテーション研究センターが主催しているニューロリハビリテーションセミナーに多くの方に参加していただきありがとうございました。北海道から沖縄のおおよそ320名の皆様に参加いただきました。

申し込みが殺到し、サーバーダウン、そして応用編、臨床編、研究編を含め10分で定員が埋まるといったことからはじまったた今年のセミナー。その期待に応えることはなかなか骨のおれる作業なのですが、その期待をエネルギーに変え、情報を提供、あるいはどのようにすれば皆様が満足するかをスタッフ一同で意識し考えました。事前資料を配布し、このスピードについてもらおうと今回は試みましたが、強い効果はなかったものの、やらないよりやった方がよい、というポジテュブ効果は感じることができました。

とりあえず、いくつかの反省もありつつ、皆さんのご協力をえながら終了できたこと、ここに研究センターを代表してお礼申し上げます。そして、これを支えてくれたスタッフ、院生のみんなに対しても。

我々は持ち前の仲のよさを活かして、あるいは4年目という経験をいかして、円滑なシステムとして機能しています。しかしながら、もっとうまくいかないか、もっと満足させることはできないか、後ろで講義を聴きながら思い、いろんなパターンをシミュレーションしていました。いくつかは応用編に向けて修正していきます。そして、当面は「個」の力をのばす、そして、そろそろいったんプログラムを解体し、その構造を変えたり、新しい人材を登用したりと、変化を起こしていかないといけないと思っています。現状維持という視点は、将来的に現状維持にはなりえない。そして、現状維持の意識こそ、利己的意識であると、私は思っています。

さて、分子から構造、機能までいくつか抜け落ちたものもありつつ、一通り1.5日で終了することができました。時間の関係上、情報の垂れ流しであったかもしれません。ただ、私たちはいわゆる臨床をする人でないため、できる限りの飛躍を避け、そのままを伝えるようにしています。しかしながら、情報は選択する人の脳機能に由来しているため、その情報がすべてではありませんし、少々自己のバイアスにゆがめられているのも事実です。そしてその受け取り側の準備・状態によってもその情報は変化していきます。人と人のつながり、まさに神経細胞と神経細胞のつながりににていますよね。シナプス後細胞が受講していた皆様かもしれません。

いずれにしても、私たちと皆様がシナプス結合したり、シナプス可塑性がおこったり、あるいは、そうでなく、アポトーシスがおこったり、それぞれでいろんなことがおこったかもしれませんが、私たちは皆様(後細胞)から批評、そしてそれぞれの視線やムードを受けたこと、それ自体が私たちの神経成長因子であると思っています。このつながりが強化され、増強することが、リハビリテーションパラダイムをよき方向に導いていくものと信じています。それには、患者さんのために勉強していると建前でいいつつも、無意識的に存在する本音である自己の現状維持に対する満足感を一度取っ払うことが必要だと思っています。

応用編は9月です。皆さんを喜ばすためには?それを2ヶ月練りたいと思います。応用編でまたお会いできること、あるいははじめてお会いできること、それを楽しみにしています。

けれど、その前に私自身はよさこい祭りに意識のベクトルを向けていきます!!笑。

2013ニューロリハビリテーションセミナースタート

2013年06月23日 06時58分03秒 | 日記
2013年の本学のニューロリハビリテーションセミナーはじまりました。まずは、基礎編です。

昨日は脳の発生や神経可塑性の話からはじまり、脳幹、伝導路、視床、扁桃体、海馬、視床下部、とややもすれば学校卒業前にきいたけれど、そのまま通り過ぎていたところ、あるいは学校によってはさらっとしかやっていなかったところだと思いますが、脳が活動したとか、活性化したとか、マクロなことで話している、そのおおもとは何かをしっておかないと、ものごとを単純に考えてしまう嫌いがあります。一方で、皮質優位に物事を考えていますが、生物としての象徴としての脳機能とはなにか、そして、運動、認知の手前にもっと意識すべき情動という問題を考えるきっかけになったのではないでしょうか。

こうした基礎が臨床の何に役立つのかと、否定的にとらえる方もいるかもしれません。けれども、それも自己の脳なのです。なぜ、そのように自分自身がとらえているか、ひょっとすると自己の大脳辺縁系が用語に対して無意識に「嫌い」というサインをだして、例えばその矛盾(勉強しようと思っているのに、わからないとか、臨床にすぐさま役立てようと思っているのに、浮かばないとか)に対して前帯状回なんかが反応しているのかもしれません。その基盤が神経細胞による興奮性シナプスかもしれません。

いずれにしても、学習という道しるべには長期増強や長期抑圧がかかわってきますが、それには短期的に集中してスパイクさせるか、時間を費やして、繰り返し加重を増やして行くしか方法はありません。

むしろ、臨床というトップダウンの思考により、情報にフィルターがかけられすぎているのが問題のように思えるときもあります。それが学習なんですが、その一方でそれは柔軟性にかけるともいいます。臨床を知らないときに運動学を学んだときのように、例えば、実習前に人体の構造から学んだ関節運動。肩関節の運動を自分たちの体で確認しあったように、自己の実生活の中から神経科学を学んでもらいたいとも思います。今目をさまし、運動を行う自分自身。それはまぎれもなく神経系による仕業ですから。自己の行動を分析できず、人の行動を分析し、変える事はできないと思っています。ここが正念場。。最初からフィルターをかけてしまうから、キャッチコピー的な手技にはしりやすい。そして結果がすべてだという言葉にふらっといってしまうのです。その志向性も自己の脳の仕業。それを選択しそれを行動しているのも。簡単に説明するのは疑ってかかれ!これ科学の鉄則です。

いずれにしても、本日は基底核、小脳、そして皮質の4つの葉にむかいます。よりリアリティが意識されると思いますので、理解しやすいとは思います。聴きながら、書きながら、今この行動を選択しているのは、脳のなかのどなた?と思いながらきくと、面白いですよ。そして意識せずとも動けているのは、だれのおかげ?ってきくと。

いずれにしても、今日1日ニューロリハセミナーの運営を力をあわせがんばります。もちろん講義もですが,基礎編なのでみなさんが理解できるようにすすめたいと思っています。みなさんも意識を高揚させのぞんできてください。