森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

痛みを基礎から臨床まで考える会第12回学術集会

2008年10月19日 08時27分03秒 | 過去ログ
日時
2008年10月19日(日)

講演1 10:00~12:00
テーマ:種々の脳機能イメージング手法を用いた痛覚の脳内認知機構
講師:柿木隆介先生(生理学研究所)

講演2 13:15~15:15
テーマ:痛覚関連脳波計測の臨床応用、痒み認知のメカニズム
講師:柿木隆介先生(生理学研究所)

司会:沖田 実(長崎大学)、森岡 周(畿央大学)

場所:四条畷大学

身体への美意識

2008年10月19日 08時23分01秒 | 過去ログ
火曜日に意識がないように14時間ほど寝た後のブログ更新はできなかった。
水曜日は月曜日の代休であるが、
月曜日(祝日)はそのほとんどが講演であるために、
この代休に補講が入る。
事務サイドの気持ちもわからないでないが、
学生の気持ちになれば、とんでもない。
「心の理論」のせめぎあいでいい方法を導き出したいのだが。
何が何でも15回の授業は確保しなければならないという、
運営サイドの気持ちもわかる。

代休時の補講は2コマで、
教育学部の「コミュニケーション心理学」
私は何でも屋になりつつあるが、
これも自分の「大脳皮質」を使うために、
こういった科目や講演を引き受けるようにしている。
物事をある方向だけでなく、
違った方向、違った分野から考え、
新たな方法を導き出すことが大事だと思っているからだ。
一方向のある角度しか人間を見ることができない医学モデルの教育から、
生活モデルへ、いや人間モデルへだろう。
リハビリテーションは医学モデルを超えるものでなければならない。
他の業界から、この意味をとらえていただき、
逆輸入すればよい。
「人間復権」とは奥が深いし、裾野が広い。

このことは翌日の同級生の吉良先生の特別講義でも感じた。
幸せとは何か? 個人的主観をいかに大事に汲み取るか、
そして、最善の形を想像できるかが、
セラピストの手腕となるであろう。

回復期にいるセラピストはあまり感じ取ることができないのかもしれない。
患者を観るといいながら、所詮、障害を観ているように思えてならない。
所詮とは誤解があるが、
それはできて当たり前である。
それをおろそかにとはいわないが、
それを超越する頭脳集団の構成が望まれる。
在宅リハビリテーションでは結局は、
予防だけにROMをする毎日になろう。
「そんなことをしても、なんにもならない」
「おれは後ろから頭をはたく」
という吉良先生の言葉は、
現場ならではのリアリティが強い。
もちろん、こんなのにエビデンスはないのだが、
いくら数値でエビデンスを言われたとしても、
その現場の経験を大事にするであろう。

「太く短く生きる人生」
「細く長く生きる人生」
どっちを選ぶかの質問に対して、
4年生のほとんどは、前者を選んだ。
少し意外だが、人間の幸せとは何か、
それが如実にあらわれているのだろう。
人生とは長さで決定付けられない。
健康とは、そういう物さしではかることができないのだと。

太く長く生きるためには、
親愛なる他者を築き、
そのもののために生きる。
そして、自分自身の趣味を楽しむということも大事だろう。

アンパンが好きなAさんの血糖値があがっている。
あなたならどのように指導するという質問には、
誰も杓子定規で答えることができなかった。
数値よりも心である。

自分なら、今度のライブに醜い体系で出るわけにはいかないので、
そのために節制したいが、
それ以上に連日の講演後の懇親会のアルコールのおかげで、
醜い身体に拍車がかかっている。
この進行を止めたいが、
時間がない。
というのは駄目で、時間を作る、
その強い意識がひつようなんだと思う。

新年になればそれを誓いたい。

木曜日はその後、学科会議、教授会、大学院委員会、学術振興委員会、紀要編集委員会と20時近くまで行い、
大学院生が4名ほど来室。
それぞれの研究を確認した。

金曜日、岡山に向け出発。
朝日リハでの人間発達学の講義を行う。
ヒトとは何なのか?その進化の特徴を、
ブロードマンエリアから話した。
チンパンジーとの違いがその形態からもよくわかる。
そのヒトをつくる環境因子について、
神経科学の実験、心理学の実験から追加し、
次週からヒトの発達として特徴づけられる各論に入る。

教科書に色を塗りながら進める授業方法を今年からとりいれているが、
いいような感じだ。
本は汚すことで、自分の所有となる。
自分の所有となれば、それは知覚の延長であり、愛着をもつ。
本と2人称の関係になれば、もっと勉強も進むであろう。
どのように育てるか、理学療法や作業療法の教育も、
従来のようにムチをいれるだけの方法では難しいと昨今とくに思う。

セラピストが高次脳機能が傷害されているから無理です。
と教育も同じようにバリアをつくってはならない。
高次脳機能障害と捉えたのはこちらの一方向の脳でしかない。

「これはリンゴではない」
「これはパイプではない」

マグリットの絵が身にしみる。

土曜日、早朝に出て、
大学まで。

大学の研究所のシンポジウムの準備をして、
講師の先生方と会食する。
柿木先生とは1年半前に広島大学でシンポジウムがあって以来であるが、
それ以外の、壇先生、荒牧先生とは初対面で、
壇先生の個性、そして荒牧先生の実直さに、
コミュニケーションをとることで、
人の奥行きを知ることができ、
楽しい1日であった。

柿木先生の講演は、
いつものように、ウイットがとんで、
快な状態であった。
講演はその人の心の状態を良くあらわす。
内容は「脳指紋」「顔認知」「痛み」「痒み」に関連する今までの研究成果であった。
多岐にわたる研究内容に、
先生の知りたい欲求の多さを垣間見ることができた。
中央大学の山口真美先生とも一緒にやられているようだ。
知っていたが・・・ 山口先生の研究はいつも面白い。

自分の話題提供も文脈からおとなしいものとした。
先輩方のお顔を拝見しながら。
今は中部学院大学であるが、
運動と脳の著者の松波謙一先生が来られていた。

大学院生のこうむら&かわむら君らと話し、
家で荷物(着替え)を変え、
何をしに帰ったんだと、少し抑うつになり、
そのまま近鉄にのり、大阪まで。

本日の痛みの会のメンバー、講演者の柿木先生と懇親会をする。
先生とは懇親会で話すほうが面白い。
その内容はここではとても紹介できない秘密裏な内容である。

朝おき、自分の顔、身体がニクイ状態である。